鳴戸部屋

鳴戸部屋の概要と設立経緯

鳴戸部屋（なるとべや）は、日本相撲協会に所属する相撲部屋で、二所ノ関一門に属しています。この部屋は元大関・琴欧洲が創設し、彼の相撲キャリアに深く関わる重要な場所です。琴欧洲は2014年の3月場所を最後に現役を引退し、その後、年寄・琴欧洲としてのキャリアが始まりました。2015年2月には15代鳴戸を襲名し、佐渡ヶ嶽部屋にて後進の育成に努めました。

鳴戸部屋は2017年4月1日に創設されました。当初、佐渡ヶ嶽部屋に所属していた2人の内弟子を連れて分家独立する形で設立されました。設立当初は東京都墨田区横川に2年間仮住まいをし、その後、2019年6月に向島に部屋を構えました。

鳴戸部屋のユニークな特性

鳴戸部屋は、師匠がブルガリア出身であるため、部屋の文化や風習に独特な要素が見られます。例えば、ブルガリアのヨーグルト製品が明治製品の提供を通じて部屋に届き、弟子たちのちゃんこ（食事）として振る舞われることがあります。そのため、食文化が多様化しており、ユニークな形で弟子たちに栄養を提供しています。

不祥事に関する経緯

しかし、鳴戸部屋は設立後しばらくしてから不祥事に直面しました。2019年1月には、部屋の三段目力士が他の弟弟子に対して暴行を加えていたことが発覚しました。この力士は、スマートフォンを用いて弟弟子を殴打したり、自身の失敗を罰する名目で柔道の締め技を使って失神させようとするなど、暴力行為を繰り返していました。被害にあった力士は恐怖を感じ、最終的には兄弟子に相談し、事態が明らかになることとなります。

この問題は、部屋のマネージャーを通じて鳴戸に報告され、鳴戸はすぐに加害者に問いただし事実が確認されました。相撲協会においては暴力行為は禁止されており、鳴戸は直ちに加害者力士を出場自粛させる決定を下しました。これにより相撲協会はコンプライアンス委員会を設置し、事実関係の調査が行われることとなりました。

調査の結果、加害者は弟弟子を楽しむために動画撮影を行っていたことも判明し、その行為は非常に悪質であるとされました。最終的には、加害者力士の引退及び鳴戸自身への報酬減額が決定しました。さらに、部屋が新設であったことが影響して、マネージャーの増員や体制の強化の必要性が指摘され、月次報告が求められることとなりました。

この騒動は、相撲界における暴力禁止の取り組みが尚更重要であることを示す一例となりました。鳴戸部屋はその後、公式Twitter及びブログを通じて謝罪文を発表し、相撲ファンや支持者に対して誠心誠意の謝罪を行いました。

所在と現在の状況

鳴戸部屋は東京都墨田区向島一丁目22番16号に位置し、最寄りのとうきょうスカイツリー駅から徒歩7分の位置にあります。現在の師匠は15代鳴戸勝紀（旧名・琴欧洲）で、部屋の運営と別途、弟子の育成に務めています。

力士たちには、欧勝馬出気（前9・モンゴル）や欧勝海成矢（十11・石川）などが在籍しており、彼らは鳴戸部屋の15代弟子として成長を遂げています。

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