鴨居

鴨居（かもい）について

鴨居とは、柱間に取り付けられる建具の上部の枠を指します。この部材は、襖や障子といった建具をスムーズに開閉するための基盤を提供します。鴨居は、通常敷居という下部の部材と対になっており、両者は「内法物（うちのりもの）」として知られる構成要素の一部です。一般的に、鴨居は溝を掘った横木として作られますが、無目鴨居として知られる筋溝のないタイプも存在し、開き戸や開き障子に使用されます。さらに、鉄道車両の客用扉上部を指すこともあります。

構造と取り付け方法

鴨居を設置する際の方法はいくつかあります。一つは、一端を目違いほぞ入れにして他端は隠し釘で固定する方法。また、両方の柱に大入れ彫りを施し、遣り返しによって配置した後、繰り出しほぞで固定するやり方もあります。木材は乾燥とともに形状が変わるため、経年変化を考慮して木表を下向きに設置する必要があります。このような工夫が、建具の使いやすさと耐久性を確保します。

鴨居の種類

さまざまな種類の鴨居が存在し、それぞれ異なる用途に応じて使用されます。以下は、主な鴨居の種類です：

• - 無目鴨居：溝をつけないタイプの鴨居で、特定の設計上のニーズに対応します。
• - 薄鴨居：欄間などの上部に取り付ける薄型の鴨居で、デザイン的にも軽やかさを求める場所に使われます。
• - 差鴨居：梁の下端に設置される厚めの鴨居で、強度や安定性を考慮した設計です。
• - 一筋鴨居：筋溝が一条のものを指し、引戸を設置する際に利用されます。
• - 付け鴨居：別名割鴨居ともいい、開口部のない壁面に取り付けられるタイプです。

これらの種類の鴨居は、インテリアデザインや建築技術において重要な役割を果たし、空間の機能性や美しさを高める要素となります。

参考文献

本記事の内容は、横山信による『建築構造の知識』（アルス、1925年）からの情報を基にしています。また、関連項目として日本建築や和室、鉄道車両なども挙げられます。さらに、プロレス技の「脳天唐竹割り」も鴨居に関連する用語として知られています。

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