鴨川をどり

鴨川をどり

鴨川をどり（かもがわをどり）は、京都の花街の一つである先斗町（ぽんとちょう）で、明治5年（1872年）から毎年5月1日から24日にかけて先斗町歌舞練場で上演されている伝統的な舞踊公演です。京都の花街の中でも最も上演回数が多いことで知られています。

沿革

先斗町は、寛文10年（1670年）に花街としての起源を持ち、高度に様式化された舞台芸能である歌舞伎が生まれた場所とも言われています。鴨川をどりは、明治5年（1872年）に開催された第１回京都博覧会の観光客誘致策として、都をどりと共に創演されました。その後、第二次世界大戦による中断期間を挟みながらも、上演を重ねてきました。

戦後しばらくしてからは、春と秋の二回公演という形式を取り、1998年まで続けられました。構成は、総踊形式の都をどりとは異なり、第一部が舞踊劇、第二部が舞妓らが出演する舞踊ショーという二部構成で、観客を楽しませています（1950年までは都をどりと同じく総踊形式でした）。

昭和初期の鴨川をどりでは、洋楽を取り入れたり、少女レビューを上演するなど、新たな試みも行われました。これらの公演は、ジャン・コクトーやチャップリンといった海外の著名人をも魅了しました。

年表

1872年（明治5年）：鴨川をどり初演
1884年 ～ 1894年：10年間休演
1895年（明治28年）：上演再開
1944年 ～ 1945年：第二次世界大戦で休演
1946年（昭和21年）：上演再開
1951年（昭和26年）：春・秋の二回公演開始（1998年まで継続）
2020年（令和2年）：新型コロナウイルスの感染拡大により中止。クラウドファンディングやオリジナルグッズの販売を実施。オンライン版鴨川をどりを翌年5月21日より公開。一部演目を先斗町歌舞練場にて開催し、インターネットライブ配信を実施。
2021年（令和3年）：新型コロナウイルスの感染拡大により中止。オンライン版鴨川をどりを5月21日から配信。
2022年（令和4年）：3年ぶりの公演。感染対策のため全場面を純舞踊で構成。
2023年（令和5年）：4年ぶりに2部制の通常公演に戻る。

近年の取り組み

2020年、2021年と新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、鴨川をどりは中止を余儀なくされました。しかし、そのような状況下でも、クラウドファンディングを実施したり、先斗町オリジナルのグッズを販売するなど、新たな試みが行われました。また、中止となった鴨川をどりの代替として、オンライン版を制作し、インターネットを通じて配信するという形で、伝統を守り、新たなファンを獲得するための努力が続けられました。

2022年には3年ぶりに公演が再開されましたが、感染症対策として、通常の二部制ではなく、全場面を純舞踊で構成するという特別な形式となりました。そして2023年、4年ぶりに二部制の通常公演に戻り、多くの観客を魅了しました。

その他

ドキュメンタリー番組「新・にっぽんの芸能「京の花街が伝える心の芸〜先斗町“鴨川をどり”〜」」（2022年7月8日、NHK Eテレ）でも、鴨川をどりが紹介されています。

外部リンク

先斗町・鴨川をどり 公式サイト （日本語）
京・花街が継承する伝統伎芸（京都市文化市民局文化財保護課）
* 京の花街おおきに財団（公益財団法人京都伝統伎芸振興財団）

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