黒薙駅

黒薙駅：黒部峡谷の秘境駅

黒薙駅は、富山県黒部市宇奈月町音沢にある黒部峡谷鉄道本線の駅です。峡谷の自然に囲まれた場所に位置し、秘境駅としての雰囲気を漂わせています。

歴史

黒薙駅の歴史は、1927年（昭和2年）に日本電力の専用鉄道として線路が開通したことに始まります。当時は「後曳駅」と呼ばれ、林道を転用したものでした。柳河原発電所の完成と同じ年に開通しています。

1953年（昭和28年）11月16日に関西電力により、旅客駅として開業し、後曳駅（あとびきえき）という名前が与えられました。その後、年月日は不明ですが、現在の黒薙駅に改称されています。

1971年（昭和46年）には、黒部峡谷鉄道が設立され、同社の駅となりました。同年7月1日より、黒部峡谷鉄道による運行が開始されました。

駅構造

黒薙駅は、単式ホーム1面1線を有する地上駅です。行き違い設備はなく、駅員が配置された有人駅となっています。一般旅客駅ですが、関西電力の専用列車も停車します。ただし、専用列車への一般旅客の乗降はできません。

プラットホームの一部は、黒薙川に架かる鉄橋「後曳橋」の上に位置しています。当駅から欅平駅の区間は、中部山岳国立公園の特別地域に指定されています。

駅構内は見通しが悪いため、駅員が配置されていますが、乗車券の販売業務は行っていません。また、当駅発の乗車券の事前予約もできません。この駅から利用する旅客は、係員から利用車両の等級が記された乗車駅証明書を受け取り、着駅で精算する必要があります。

黒薙川上流の黒薙第二発電所および新黒薙第二発電所、二見取水堰堤へ向かう関西電力黒部専用鉄道の黒薙支線が分岐しており、ホームから支線のトンネルを見ることができます。このトンネルは列車の運行回数が少ないため、以前は駅員の許可を得ることで、黒薙温泉への近道として利用することができましたが、2009年以降は保安上の理由から、一般旅客の立ち入りは禁止されています。

駅周辺

黒薙駅の周辺には、黒薙温泉があります。自然に囲まれた静かな温泉地で、黒部峡谷の美しい景色を眺めながら、ゆっくりと温泉を楽しむことができます。

隣の駅

黒薙駅の隣の駅は以下の通りです。

黒部峡谷鉄道本線
関西電力専用列車: 森石駅 - 黒薙駅 - 笹平駅
旅客列車: 宇奈月駅 - 黒薙駅 - 鐘釣駅
関西電力黒部専用鉄道黒薙支線
* 関西電力専用列車: 黒薙駅 - 二見

黒薙駅は、黒部峡谷の自然を満喫できる駅です。ぜひ一度、訪れてみてください。

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