黒部市立図書館

富山県黒部市立図書館：歴史と変遷

黒部市立図書館は、富山県黒部市に位置する公共図書館です。その歴史は古く、1901年（明治34年）4月の設立に遡ります。1902年（明治35年）11月18日には、富山県内初の公立図書館として下新川郡立図書館が開館しました。その後、幾度かの改称を経て、1954年（昭和29年）4月1日の黒部市市制施行に伴い、黒部市中央図書館となりました。

当初の図書館は、1902年の開館以来、幾度かの移転や改築を繰り返しながら、地域住民に愛されてきました。1952年（昭和27年）には桜井町立中央公民館図書館が開設され、旧郡立図書館の蔵書を引き継ぎました。翌年には富山県立図書館分館設置指定を受け、黒部市中央図書館としての発展を遂げます。1954年には生地分館も設置されました。

1973年（昭和48年）4月1日、黒部市立図書館と改称し、同年4月25日には黒部市植木に新館が開館しました。この新館は、1972年（昭和47年）に着工され、1973年（昭和48年）に完成。翌年には庭園や館前広場の整備も完了し、地域に開かれた図書館として親しまれました。

2001年（平成13年）には、松村ひさ江氏から寄贈された松村文庫が設置され、蔵書の充実が図られました。2006年（平成18年）の宇奈月町との合併に伴い、黒部館（黒部市植木）と宇奈月館（黒部市宇奈月町）の2館体制となりました。

しかしながら、黒部館は老朽化と耐震性の問題を抱えていました。このため、2010年（平成22年）7月30日には図書館建設検討委員会が設置され、新図書館の建設が計画されました。新図書館は、黒部市役所跡地に建設された『くろべ市民交流センター』（通称、あおーよ）内に設置されることとなり、2023年（令和5年）6月1日から本館は休館となりました。同年6月27日、黒部市議会は新図書館の名称を『あおーよ図書館』、宇奈月館の名称を『黒部市立宇奈月図書館』とする条例改正案を可決しました。

そして、2023年（令和5年）10月6日、『あおーよ図書館』として、黒部市立図書館は新たな歴史を刻み始めました。あおーよ図書館は、建築面積1,930㎡、延床面積6,523㎡、蔵書約17万冊を誇る、地域の交流・情報センターとしての役割も担っています。

一方、宇奈月館は、1958年（昭和33年）4月（資料によっては1959年）に宇奈月町立図書館として開館しました。1993年4月以降は、道の駅うなづきに併設されているうなづき友学館内にあります。延床面積1,684㎡、蔵書約7万冊、開架図書約3万7千冊を所蔵し、地域住民に親しまれています。

旧黒部市立図書館（黒部館）は、2023年（令和5年）5月31日をもって閉館しました。長年に渡り地域に貢献した図書館の歴史は、新たな図書館「あおーよ図書館」に引き継がれています。また、1977年から1994年まで運用されていた移動図書館車『あおぞら号』も、図書館の歴史の一部として記憶されています。

黒部市立図書館は、時代の変化に対応しながら、地域住民の学習と情報へのアクセスを支える重要な役割を担い続けています。今後も、あおーよ図書館と黒部市立宇奈月図書館が、黒部市の文化と教育の発展に貢献していくことが期待されます。

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