黙示録のラッパ吹き

黙示録のラッパ吹き

『ヨハネの黙示録』に登場する「黙示録のラッパ吹き」とは、終末の到来を告げる7つのラッパを吹く7人の天使たちのことです。神の御前に立つ彼らにラッパが与えられ、それが吹かれるたびに、地上には恐ろしい災害が引き起こされます。

7つのラッパとその災厄

第一のラッパ

血の混じった雹と火が地上に降り注ぎ、地上の三分の一、木々の三分の一、そしてすべての青草が焼き尽くされます。これは、自然環境への壊滅的な打撃を意味します。

第二のラッパ

巨大な山のような火の塊が海に落ち、海の三分の一が血に染まります。海の生き物の三分の一が死滅し、船の三分の一が破壊されるという、海洋生態系への深刻な影響が描かれています。

第三のラッパ

「苦よもぎ」という名の巨大な星が川の三分の一とその水源に落ち、水が苦くなり、多くの人々がそのために命を落とします。これは、水質汚染による深刻な健康被害を示唆しています。

第四のラッパ

太陽、月、星の三分の一が打たれ、昼も夜もその光が三分の一だけ失われます。これは、地球全体のエネルギーバランスの崩壊を象徴していると考えられます。

第五のラッパ

天から落ちた星が底知れぬ穴を開け、そこからアバドンを王とするイナゴの大群が現れます。彼らは神の印のない人々を襲い、サソリに刺されたような苦痛を五ヶ月間与えます。これは、精神的な苦痛や苦悩の蔓延を意味するのかもしれません。

第六のラッパ

ユーフラテス川のほとりにつながれていた四人の御使が解き放たれ、人間の三分の一を殺すために出陣します。赤色、青色、橙色の胸当てを着けた二億人の騎兵隊が現れ、彼らの乗り物の口から出る火と煙と硫黄によって人間の三分の一が殺されます。また、この時期には、二人の神の証人（預言者）が登場し、1260日の間預言をします。彼らに害を加えようとする者は、口から出る火によって滅ぼされます。彼らは預言期間中、望むままにあらゆる災害を起こす力を持っていますが、預言期間が終わると、底知れぬ所から上ってくる獣（反キリスト）に打ち負かされ殺されます。彼らの死体は3日半エルサレムに晒されますが、その後神によって蘇生し、天に上げられます。この時、大地震が起こり、都の十分の一が倒壊し、7千人が死亡します。

第七のラッパ

底知れぬ所から上って来た獣（反キリスト）による世界支配、すなわち最終的な終末世界が訪れます。その後、「7つの金の鉢」によって神の怒りによる災害がもたらされます。反キリストによる世界統治は、メシアの再臨によって終わりを迎えます。メシアとその軍勢は反キリストとその勢力と戦い、勝利します。反キリストとその偽預言者は生きたまま火の池に投げ込まれ、反キリストを選んだ人々は苦しみ悶えて死ぬという、最終的な審判が下されます。

黙示録のラッパ吹きの解釈

黙示録のラッパ吹きは、文字通りの災害を意味するだけでなく、象徴的な意味も持ちます。これらの災厄は、人間の罪深さや堕落に対する神の警告であり、悔い改めと信仰への呼びかけであるとも解釈できます。

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