'84とちぎ博

'84とちぎ博（'84とちぎはく）

1984年（昭和59年）7月12日から9月16日にかけて、栃木県宇都宮市で開催された地方博覧会です。当時の栃木県知事であった船田譲が、宇都宮清原工業団地のPRを目的として提唱し、開催が決定しました。結果として、興行収支は大幅な黒字を記録しました。

概要

主催：栃木県、宇都宮市、栃木県市長会、栃木県町村会、栃木県商工三団体連絡協議会、栃木県農業協同組合中央会、栃木県林業団体連絡協議会
開催期間：1984年7月12日 - 9月16日
会場：宇都宮市清原中央公園（主会場面積110,000m2、駐車場162,000m2）
入場者数：1,343,282名（目標130万人）
テーマ：21世紀へのたびだち・明日のくらしと産業
シンボルマーク：県鳥であるオオルリをイメージした青い丸に、県木のトチノキをイメージした白と緑の二色で「TOCHIGI」のT・C・Gを象徴する曲線をあしらい、宇宙空間の広がりやスピード感、栃木県の発展する未来を表現。
公式マスコット：トッピーちゃん。県内の小中高校生から公募され、栃木の豊かな自然と産業をイメージした緑の頭に宇宙人的な楽しい表情、両耳のレシーバーとアンテナで未来の情報をキャッチする姿勢を表現。名称は栃木の「ト」と最先端技術をイメージした「トップ」から。
テーマ曲：高橋みゆき「未来へDreamin'」（作詞：松井五郎、作曲：米光亮）
会長：船田譲（栃木県知事）
副会長：増山道保（宇都宮市長）、高徳正美（栃木県議会議長）
常務理事：推津弘之（栃木県副知事）

会場跡地

博覧会跡地は、宇都宮清原球場、宇都宮市清原体育館などのスポーツ施設や、宇都宮市清原地区市民センターとして利用されています。また、清原工業団地内には、栃木県グリーンスタジアム（球技場）のある北公園、南公園という3つの公園地区が存在します。

パビリオン

博覧会では、テーマゾーン、都市情報ゾーン、生活文化ゾーンなど、様々なパビリオンが設けられました。

テーマゾーン

とちぎ21世紀館：明治・大正・昭和の時代の変遷と未来の展望を3部構成で展示。タイムトンネル、文明開化後の銀座の街角の再現、庶民の住宅の再現、フューチャーイメージドームでの映像演出、宇都宮テクノポリス構想の紹介など。
自然と人間の未来館：「自然の恵みとふれあいを求めて」をテーマに栃木県の農林水産業の未来像を探る。ポマトの展示、日光の自然を再現したグリーンモール、農山村のパノラマ模型、特産物紹介、食糧問題コーナー、即売コーナーなどを展開。
伸びゆく工業館：栃木県内の産業・工業製品を紹介。繊維・玩具・木工・プラスチック等の製品展示、プラスチック成形実演、ロボットによるマジック、湯茶サービス、小中学生による絵画展、発明展などを展開。
全国観光物産館：北海道から沖縄まで26の都道県市、栃木県内49市町村が出展し観光紹介や特産品販売を実施。
国際友好館：イギリス・フランス・ソビエト・イタリア・韓国・ブラジル・西ドイツ・ASEAN・ニュージーランド等世界16カ国が出展しての物販ブース、日本航空・パンアメリカン航空等日本乗り入れの国際航空会社の旅客機模型や乗務員制服を展示。

都市情報ゾーン

エネルギーファンタジア（東京電力）：3Dシアター、展示ホール「エネルックホール」、電気展示車などを展開。巨大な手を模したオブジェ「エネルギーハンド」を設置。
INSスタジオ2001（日本電信電話公社）：光ファイバーを使った電気通信サービス、テレビ会議システム、電話の歴史、未来の通信、INS新聞サービスなどを展開。栃木放送のサテライトスタジオも併設し、通信衛星さくら2号を打ち上げたN-IIロケットの模型を設置。
21世紀科学情報館（国際電信電話・国際科学技術博覧会協会）：スペースシャトル・通信衛星・海底ケーブルの模型等で国際通信の役割を紹介、科学万博つくば'85のPRコーナーも併設。
明日の自動車館：自動車3社による最新の自動車技術を紹介。
新幹線から未来の鉄道館（日本国有鉄道）：世界の鉄道紹介、新幹線運転席のモックアップ、模型電車運転、ヘッドマークとナンバープレート、リニアモーターカーのジオラマなどを展開。
豊かな国づくり館：国土建設事業を紹介。川治ダムの立体模型、日本の主な河川水系の紹介、下水道技術、住宅都市整備公団によるパネル展示などを展開。

生活文化ゾーン

富士通館：ワープロを用いた無人島脱出計画の作成、パソコンゲーム、日記作成を行う「ワープロオアシススクール」などを展開。
東芝館：衛星放送やニューメディア、医療用製品、身長・体重計測ロボット「ハカリちゃん」などを展示。
ふれあいのエレクトロニクス館：大手家電メーカー各社によるエレクトロニクス関連の展示を展開。
人とくらしの科学館：栃木県内に馴染みの深い8社による合同館。
やすらぎランド（日本専売公社）：ミラクルドーム、ロボットコーナー、タバコの花、キセル、塩の結晶の芸術の展示、博覧会記念タバコ販売などを展開。
あしぎん未来館（足利銀行）：銀行出張所、休憩スペース、パソコンゲームコーナーなどを展開。
日中友好館：文化財や伝統工芸品の展示、食品や酒の即売コーナーを展開。
明日のマイホーム（セキスイハイム）：モデルハウス。コンピューターを用いた住宅相談コーナーも展開。
コカ・コーラメルヘンパーク：休憩スペースとドリンク販売ブースを設置。

アトラクション

当時世界一を誇った観覧車「ワンダーホイール」の他、スカイアニマル、回転ボート、スーパースイングなど、様々なアトラクションが人気を集めました。一部のアトラクションは、翌年の国際科学技術博覧会（つくば科学万博）に転用されました。

イベント

博覧会期間中には、岩崎良美、竹本孝之、松本伊代など、多くの歌手やタレントによるライブコンサート、栃木の音楽祭、民謡民舞フェスティバルなど、多彩なイベントが開催されました。

会場アクセス

国鉄宇都宮駅東口、東武宇都宮駅、県体育館から会場までシャトルバスが運行されました。宇都宮駅東口からのシャトルバスには、ロンドンバスや当時最新型の西ドイツ・マン製の2階建てバスも使用されました。

沿革

1982年8月：船田譲栃木県知事が産業博覧会開催の意向を表明。
1983年1月：栃木県・宇都宮市などが主催体制を決定。
1984年7月12日：博覧会が開幕。
* 1984年9月16日：閉幕。

その他

博覧会開催に合わせて国道4号などに歩道橋が設置され、「'84とちぎ博歩道橋」と命名されました。

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