'86さっぽろ花と緑の博覧会

86さっぽろ花と緑の博覧会

1986年、北海道札幌市で開催された「86さっぽろ花と緑の博覧会」は、第4回全国都市緑化フェアとして、札幌市百合が原公園を舞台に繰り広げられました。

博覧会の概要

テーマとスローガン

博覧会のテーマは「人と自然-そのすばらしい関係」。スローガンには「潤いのある緑豊かな街づくり」が掲げられ、自然と人間の調和、そして緑あふれる都市への願いが込められていました。

会場と期間

会場となったのは、札幌市百合が原公園。展示面積は24.6ヘクタールに及びました。開催期間は1986年6月28日から8月31日までの約2ヶ月間。多くの人々がこの博覧会を訪れました。

入場者数と収益

入場者数は、目標の130万人を大きく上回る1,476,493人を記録しました。また、博覧会は約2億6883万円の剰余金を計上し、その成功を物語りました。

主催と後援

博覧会は、札幌市と都市緑化基金が主催し、総理府をはじめとする多くの省庁、北海道庁、各種団体が後援しました。幅広い分野からの支援が、博覧会の円滑な運営を支えました。

シンボルマークとテーマソング

シンボルマークは、青と緑の円形の中にユリの花をあしらったもので、開催地である百合が原公園を象徴するデザインでした。テーマソングには、渡辺雅美さんの「花と緑のファンタジー」が採用され、博覧会を盛り上げました。

マスコットキャラクター

マスコットキャラクターは、「グリーンちゃん」と「フラワーちゃん」というユリの妖精をイメージした男女の子供で、愛らしい姿が来場者から人気を集めました。

入場料

入場料は、前売券が大人800円、小人400円。当日券は大人1000円、小人400円でした。前売券には、沖縄旅行ペアやスクーター、テレビ、カメラなど豪華な賞品が当たる「お楽しみプレゼント」も用意されていました。

博覧会の内容

パビリオン

博覧会には、様々なテーマのパビリオンが設置されました。

花と科学の広場：テーマ館「花と緑の科学館」では、花と人間と科学の関係を多角的に展示。水耕栽培や映像展示も行われました。
三菱グループ「三菱3D劇場」：原始林の情景などを立体映像で上映するシアターや、植物学者を紹介するコーナーを設置。
雪印館：オランダ風の風車を模した建物で、日本各地の花のパネルや展望デッキを設置。
北海道郵政局「コミュニティプラザ（花の郵便局）」：ガリバーロボットや電子郵便など、郵政省の技術を紹介。
東日本観光開発「東日本水耕栽培館」：ミニトマトやササゲの水耕栽培を展示。
生活と文化のパビリオン：各企業団体が新時代の生活環境を提案。
情報と科学のパビリオン：科学技術や情報通信技術を紹介。
日立製作所「日立インターフェイスランド」：まねきオームロボットやゲームコーナーなどを設置。
NTT「NTTテレコムパーク」：近未来の情報ネットワークを体験できる展示。
NHK札幌放送局「森とテレビの仲良しランド」：子供向けを主体とした展示やハイビジョン大型ディスプレーを公開。
花と緑の放送スタジオ「ちゃんねるフラワー」：テレビ実験放送を行うスタジオ。
市民ギャラリー：全国の団体やグループが様々な展示を実施。

その他エリア

日本レゴ「レゴ・ワールドショー」：レゴブロック作品の展示やプレイコーナーを設置。
バザール館「ワールドプラザ210」：世界の商品や土産品、グルメなどを販売。
公園用木製品展：道産木材で作られた公園用品を展示。

庭園

博覧会には、様々なテーマの庭園が造られました。

世界の百合の広場：67種124,000球のユリを植栽した広場。
花と緑のピクニック広場：コンサートやバラエティショーが開催された広場。
花のオリンピック広場：大花壇や自治体出展花壇を設置。
国際庭園：札幌市の姉妹都市であるポートランド、ミュンヘン、瀋陽の庭園を再現。
緑のトンネル：ユウガオやカボチャなどを植栽したトンネル。

その他施設

花と緑のステージ：メインステージとして様々なイベントを開催。
遊戯施設「子供の国」：アトラクションや遊具を設置。
リリートレイン：会場内を周遊する鉄道。
レストラン：サッポロビール、アサヒビール、札幌グランドホテルが運営するレストランを設置。

主なイベント

博覧会期間中には、数多くのイベントが開催されました。人気歌手のコンサートや、ラジオ・テレビの公開放送、民族舞踊団のステージなど、バラエティ豊かな内容で来場者を楽しませました。

博覧会の沿革

1983年から準備が開始され、1985年には実行委員会が発足。1986年6月28日に開幕し、8月31日に閉幕しました。博覧会の成功を受け、百合が原公園はその後も市民の憩いの場として親しまれています。

アクセス

博覧会期間中は、札幌市営地下鉄南北線麻生駅から無料ピストンバスが運行されました。また、国鉄（現JR）札沼線には臨時駅「百合が原臨時乗降場」が設置され、来場者の交通手段を確保しました。

参考文献

博覧会の記録は、「'86さっぽろ花と緑の博覧会公式記録」や「'86さっぽろ花と緑の博覧会公式ガイドブック」に詳しくまとめられています。

外部リンク

乃村工藝社博覧会資料COLLECTIONで、博覧会の資料を閲覧することができます。

「86さっぽろ花と緑の博覧会」は、札幌の街に花と緑があふれるきっかけとなった、記憶に残るイベントでした。

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