リリートレイン

リリートレインとは

リリートレインは、北海道札幌市にある百合が原公園内を走る、全長約1.2kmの遊覧鉄道です。単線・非電化の線路を、ディーゼル機関車が5両の客車を牽引して走行します。この鉄道は、ただの遊具ではなく、1,067mmの狭軌という本格的な規格で建設され、踏切などの設備も備えています。

歴史

リリートレインは、1986年に開催された全国都市緑化フェア「'86さっぽろ花と緑の博覧会」に合わせて開業しました。博覧会では、高齢者や子供、障害を持つ人々への配慮として、1982年の国際園芸博覧会で運行された庭園列車をモデルに鉄道施設が建設されました。

当初、この列車は博覧会事務局によって設置が検討されていましたが、会期後も運行されることとなり、日本宝くじ協会の助成金と札幌市緑化推進部の協力のもと、実現しました。車両や軌道は札幌市が、プラットホームは博覧会事務局が建設を担当しました。

開業当初の車両は白色でしたが、2003年には老朽化に伴い更新工事が行われ、油圧駆動装置への換装と同時に、札幌市立高等専門学校の学生が考案した緑色のカラーリングに変更されました。2008年には、廃油バイオ燃料の使用が開始され、環境に配慮した運行が行われています。さらに、2018年には札幌塗装工業協同組合青年部会の設立30周年事業として、車両は札幌市の景観色である薄いベージュ色「百合が原」に塗り替えられました。

路線と運行

リリートレインは、百合が原公園内を反時計回りに一周します。所要時間は10分強で、シーズン中には20～30分間隔で運行されます。路線距離は1.2km、軌間は1,067mmで、駅は起終点駅を含めて1駅のみです。走行速度は時速5～6kmとゆっくりで、園内の自然を楽しみながら乗車できます。

料金は小学生以上360円（2018年現在）で、博覧会開催時は300円でした。列車は、季節ごとにユリやラベンダーなど、美しい花々が咲き乱れる中を走行します。

車両

リリートレインの車両は、札幌交通機械が製造したディーゼル機関車と客車が使用されています。

機関車

• - 長さ：5.5m（当初は7.9m）
• - 幅：2.6m
• - 高さ：2.8m
• - エンジン：三菱重工業S4K-E4T（当初はDMH-17C）
• - 出力：95馬力（当初は200馬力）
• - 駆動方式：HST油圧駆動方式
• - 通常時速：5～6km/h

客車

客車は窓付車2両と窓無車3両の計5両で構成されています。

• - 長さ：7.15m
• - 幅：2.6m
• - 高さ：2.8m
• - 定員：28名（開業当時は40名）
• - 重量：4.4t(窓付) / 4.2t(窓無)
• - 車軸数：2

博覧会開催時は、各客車に乗車する駅を割り振り、1周1回の乗車が原則でした。

まとめ

リリートレインは、百合が原公園の自然を満喫できる、家族連れや観光客に人気の遊覧鉄道です。美しい花々の中をゆっくりと進む列車は、訪れる人々に穏やかな時間を提供しています。

外部リンク

• - リリートレイン - 札幌百合が原公園
• - 事業概要 百合が原公園リリートレイン - 札幌交通機械

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