Α・アジール

α・アジールの概要

α・アジール（アルパ・アジール、ALPHA AZIERU）は、1988年に公開されたアニメ映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』において初めて登場した架空の兵器です。これにより、ネオ・ジオン軍の試作機として特殊な能力を持つニュータイプ専用のモビルアーマー（MA）として開発されました。歴代で見てもかなり大型の機体であり、多数の強力な火器を搭載しています。

デザインの背景

本機のデザインは、デザイナーの出渕裕の手によるもので、当初は劇中に登場する予定はありませんでした。しかし、敵キャラクターとしてのモビルアーマーを提案し、彼のデザインが採用されることとなりました。MAの特徴として、腕部が欠如し、脚部も持たないという異様なフォルムが採用され、スケール感を重視した設計がなされました。特にファンネルの形状は、他のネオ・ジオン機とは異なるデザインが与えられ、印象的な外観を持つように工夫されました。

設定と機能

α・アジールは、デラーズ紛争の期間に試作された巨大MA「ノイエ・ジール」の系譜にあたります。先行試作機には「サイコ・ドーガ」があり、シャア・アズナブルの専用機として計画された経緯がありますが、最終的には個別のMA開発として独立した形で進化しました。また、機体の全長は100メートルを超え、多くの部品がパワージェネレーターや推進剤で構成されています。

この機体は強襲用に設計されており、脚部がない代わりに、長い増槽型のシュツルムスラスターユニットを有し、地球周回軌道にまで到達できる推力を持っています。コクピットは頭部に位置し、サザビーやヤクト・ドーガと同系の操縦用インターフェースが採用されています。また、駐機時には外部に係留される必要があり、特有の設計上、通常サイズの艦船には収容できません。

武装と戦闘能力

本機は多様な武装を装備しており、以下の内容が主な武器です。

• - 2連装バルカン砲: 額部や側頭部に配置され、高速で弾丸を発射可能。
• - メガ粒子砲: 口部に装備され、戦艦並みの出力を誇ります。
• - 有線サイコミュ式メガ・アーム砲: 遠隔操作可能で、個別の目標を狙う能力を持ちます。
• - ファンネル: 大型機体に搭載される優れた武器で、相手の攻撃を避けるための多彩な攻撃手段として機能します。

さらに、Iフィールド・ジェネレーターや、大型メガ粒子砲についての設定も文献によって異なるため、様々な解釈が存在しています。

劇中での登場

α・アジールは、ネオ・ジオンの旗艦レウルーラに装載された状態でアクシズに運ばれ、戦闘に投入されます。クェス・エアがこの機体に搭乗し、他のMS隊と対峙します。その後、アムロ・レイのνガンダムとの激しい戦闘を繰り広げる中で、クェスは数々の攻撃を繰り出すものの、相打ちのような形でついには撃墜される運命にあります。

また、外伝作品においても様々なバリエーションが登場しており、機体の魅力をさらに引き立てています。α・アジールは「ガンダムシリーズ」の中でも特に印象的な存在であり、ファンの記憶に残る機体となっています。

もう一度検索