デラーズ紛争

デラーズ紛争

デラーズ紛争（デラーズふんそう）は、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』で描かれた架空の戦争です。この紛争は、地球連邦軍とジオン公国軍の残党で構成されるデラーズ・フリートとの間で繰り広げられました。

背景

この戦争の引き金は、宇宙世紀0081年に始まった「ガンダム開発計画」にあります。この計画がジオンの残党に漏れた経緯は不明ですが、特に核武装されたモビルスーツの存在が大きな脅威として認識されたことが紛争の発端となりました。当時、デラーズ・フリートのアナベル・ガトーと、計画の主任であるニナ・パープルトンとの私的な関係も背景にあったことでしょう。

星の屑作戦の発動

宇宙世紀0083年の7月30日、エギーユ・デラーズは、核兵器を搭載した新型ガンダムの奪取を目指し「星の屑作戦」を立案します。10月13日、強襲揚陸艦アルビオンがガンダムの試作機を連邦軍のトリントン基地に運びこみ、翌日の運用試験に向け準備が進められました。これに対して、デラーズ・フリートに潜入したスパイが情報を漏らし、アナベル・ガトーが基地を急襲し試作2号機を奪取する事態が発生します。テストパイロットのコウ・ウラキはこれを阻止試みるも、ガトーに容易にかわされてしまいました。

2号機追撃

直ちに追撃部隊が編成され、コウたちも参加しました。追撃部隊は海岸でガトーが搭載したコムサイIIを発見し、撃破したものの2号機は回収艇に乗り逃亡します。その後、アルビオンはサウス・バニング艦長の指揮の下、アフリカ大陸への追跡を続けますが、有力な手がかりを掴むことはできませんでした。一方、ガトーはキンバライド基地にたどり着き、HLVによる脱出準備が進められます。

キンバライド基地戦

10月23日、アルビオンにスパイが潜入していることが判明します。艦長のエイパー・シナプスはスパイをあえて逃がし、その末路から敵の基地を探ろうとしました。包囲されたアルビオンでしたが、コウの奮闘により突破し、遂にキンバライド基地を射程に捉えます。しかし、HLVは発射され、成功を収められずに戦況は混沌としていきます。

デラーズ・フリートの宣戦布告

アルビオン艦隊とデラーズ艦隊の戦闘が続く中、デラーズは全地球圏に向けて電波ジャックを行い、自軍の持つ核の脅威を発表し、宣戦布告します。これにより、戦局はさらに混迷を深め、双方が熾烈な戦闘を繰り広げます。

観艦式襲撃

11月10日には、コンペイトウでの観艦式にてデラーズによる襲撃が成功し、連邦軍艦隊は壊滅的な被害を受けます。その後、1号機と2号機が交戦し、双方が大破する事態となり、戦闘は終結へと向かいます。

紛争の終結後

その後、デラーズ・フリートの残党はアクシズへと合流し、アルビオン艦長シナプスは軍事裁判にかけられ、極刑が下されます。12月には、特殊部隊ティターンズが結成され、さらに歴史に影を落とす展開を迎えます。

結果と余波

デラーズ紛争は、連邦軍に大きな打撃を与え、その兵力を大幅に削減しました。最後まで戦場に残った者たちの思惑や意義は、この戦争における混沌とした状況を物語っています。後年の戦役にも影響を与えるこの出来事は、地球連邦の歴史に刻まれています。

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