「BOOK」データベース

BOOKデータベース：書籍情報の宝庫

BOOKデータベースは、紀伊國屋書店、トーハン、日本出版販売、日外アソシエーツの4社が共同で運営する、国内最大級の図書内容情報データベースです。単に「BOOK」とも呼ばれ、書籍に関する様々な情報を提供しています。

概要

BOOKデータベースの最大の特徴は、基本的な書誌情報に加え、書籍の要旨や目次といった詳細な内容を収録している点です。これにより、利用者はタイトルに含まれていないキーワードでも書籍を検索することができ、目的とする情報に効率的にアクセスできます。

データベースには、トーハンや日本出版販売から日々提供される新刊書籍の情報が、1日平均270冊、年間約6万冊という膨大な量で追加されています。これらの情報は丁寧にコピー・入力され、その情報量は年間でB4用紙50万枚分にも及ぶと言われています。

ただし、BOOKデータベースの対象は、日本国内で出版・流通している書籍に限られています。雑誌、漫画、学習参考書などは収録対象外となっている点に注意が必要です。

歴史

BOOKデータベースの構想は、1979年頃に日外アソシエーツを中心に始まりました。当時から、書誌情報だけでなく書籍の内容に関するキーワードまで含めた、最新のデータベースをオンラインで提供するという先進的なアイデアがありました。

1985年、紀伊國屋書店がトーハン、日本出版販売に働きかけ、日外アソシエーツと共にデータベース構築のためのコンソーシアムを設立。翌1986年1月から、正式にサービスを開始し、データの採録もスタートしました。当時の新刊書籍は年間3万冊程度でしたが、コンピュータの普及がまだ十分でなかったため、サービスの需要は限られていました。

1987年4月、紀伊國屋書店は日外アソシエーツ、日立製作所と共同で、新聞や辞典などの情報をCD-ROMで提供する「電子書斎バイブルズ」を販売。この中にはBOOKデータベースの情報も含まれており、より多くの人に利用される機会となりました。

1988年からは、BOOKデータベースに採録されたデータを1年ごとにまとめた「ブックページ 本の年鑑」が出版され、書籍情報のアーカイブとしても活用されました。

1990年代に入り、インターネットが普及すると、利用者の間で「インターネットの情報は無料」という考え方が広まりました。有料のBOOKデータベースは一時、危機的な状況に陥りました。

しかし、2000年11月にAmazon.co.jpがサービスを開始したことで、状況は一変します。オンライン書店では書籍を直接手に取って中身を確認できないため、BOOKデータベースのような詳細な書籍情報へのニーズが高まりました。「インターネット書店に有料でデータを提供し、書店は利用者に無料でデータを開放する」というビジネスモデルが確立し、BOOKデータベースは再び脚光を浴びることになったのです。

2015年には、「BOOKデータASPサービス」が開始されました。これは、自前の目録を構築する図書館がデータ利用権を購入するというもので、新たなビジネスモデルとして注目を集め、提供開始から1年で利用図書館が100館を突破しました。

BOOKデータベースは、時代の変化に合わせてその形を変えながら、書籍情報の提供という重要な役割を果たし続けています。

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