【es】 Mr.Children in FILM

Mr.Childrenの軌跡を辿る貴重な記録映画『【es】Mr.Children in FILM』

1995年6月3日、Mr.Childrenのドキュメンタリー映画『【es】Mr.Children in FILM』が公開されました。VHSとレーザーディスクで発売された本作は、彼らの音楽性と活動への想いを深く探る、貴重な記録となっています。現在では廃盤となっており、入手困難なため、その内容を知る機会は限られています。

多様な視点から映し出されるMr.Children

本作は、1994年と1995年の2つのツアー、『innocent world』と『Atomic Heart』を軸に構成されています。単なるライブ映像の記録にとどまらず、ツアー前後に行われたメンバーへのロングインタビューがふんだんに織り込まれ、彼らの音楽への情熱、葛藤、そして制作過程における様々なエピソードが、より人間味あふれる形で描かれています。テレビでは伝えきれない彼らの内面や、音楽への真摯な姿勢が、この映画を通して深く理解できるようになっています。

映画公開を彩ったイベントとチャリティ

映画公開に先立ち、Mr.Childrenと小林武史氏による記者会見が行われ、その後、一般客向けの特別試写会が国立代々木競技場にて開催されました。この試写会は有料でしたが、阪神・淡路大震災の義援金チャリティーを兼ねており、彼らの社会貢献への姿勢も垣間見ることができます。

映画の内容：ライブパフォーマンスと制作秘話

映画には、数々のライブ映像が収録されています。

『innocent world』ツアー: 「蜃気楼」「and I close to you」「ジェラシー」「雨のち晴れ」など、初期Mr.Childrenの名曲が、当時の熱気そのままに収められています。特に「雨のち晴れ」では、メンバーによるコミカルな寸劇が挿入され、彼らのユーモラスな一面も垣間見ることができます。
『Atomic Heart』ツアー: 「Dance Dance Dance」「Round About 〜孤独の肖像〜」「Asia」「ラヴ コネクション」「everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-」「CROSS ROAD」「innocent world」「【es】〜Theme of es〜」など、彼らの代表曲に加え、ツアーの雰囲気や、当時の社会情勢への想いが感じられるパフォーマンスが収録されています。

これらのライブ映像と並行して、メンバーそれぞれのインタビューが挿入されています。制作秘話や、ツアー中に起きた出来事、楽曲への想いや制作過程における葛藤など、多様な視点からMr.Childrenの活動が映し出されています。「【es】〜Theme of es〜」の制作過程では、デモテープの音源や、桜井和寿氏による歌詞制作の様子も垣間見ることができ、楽曲誕生の裏側を垣間見ることができます。また、桑田佳祐氏との共演や、オーストラリアでのミュージックビデオ撮影の様子なども収録されています。

貴重な音源の収録

映画で演奏された「フラジャイル」は後にシングル「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」のカップリング曲として、「innocent world」と「Dance Dance Dance」は2011年から2015年の楽曲をまとめたアルバム『Mr.Children 2011-2015』に収録され、映画と同じ音源が聴くことができます。しかし、映画全体の映像は現在、入手困難な状態です。

スタッフ

監督：小林武史
製作：小池真也
製作総指揮：小林武史、AKIRA YASUKAWA
撮影：柴崎幸三、前嶋輝
音楽：Mr.Children
主題歌：「【es】 〜Theme of es〜」
美術：信藤三雄
編集：冨田功
録音：平沼浩司
助監督：KEIJIRO MATSUO、KENJI NAKAMURA

まとめ

『【es】Mr.Children in FILM』は、彼らの音楽性と人間性を深く理解するための、貴重な資料です。現在では入手困難な作品ではありますが、もし入手できる機会があれば、ぜひ鑑賞して、彼らの音楽世界に浸ってみてください。

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