あなたに恋をしてみました

chayの6thシングル「あなたに恋をしてみました」：60'sポップスと現代感覚の融合

2015年2月18日、シンガーソングライターchayの6枚目のシングル「あなたに恋をしてみました」がワーナーミュージック・ジャパンからリリースされました。この楽曲は、当時放送されていたラブコメディドラマ『デート〜恋とはどんなものかしら〜』（フジテレビ系）の主題歌として書き下ろされたものであり、その独特のレトロなサウンドとchayの透明感のある歌声が多くのリスナーの心を掴みました。

60年代へのオマージュと現代的なアレンジ

楽曲は、アメリカの1960年代ポップスを基調としながらも、70年代アイドル歌謡やニューミュージックの要素も取り入れ、懐かしさと新しさが共存するサウンドに仕上がっています。ドラマの制作者側からの「60年代のテイストのレトロな感じで」という要望を踏まえ、制作されたこの曲は、当時を知る世代には懐かしい響きを、同世代のリスナーには新鮮な驚きを与えることを目指しました。

徹底したこだわりが生み出すレトロサウンド

作曲・編曲を手掛けた多保孝一氏は、レコーディングプロデューサーも兼任。60年代のポップスを再現するため、STUDER製のテープレコーダーを使用するなど、アナログならではの温かみのあるサウンドを追求しました。フェンダー製アンプによるスプリング・リバーブも効果的に使用され、レトロな雰囲気をさらに強調しています。

ストリングスとブラスセクションの大所帯による演奏も大きな特徴です。6-4-2-2編成のストリングスと6管編成のブラスセクションを招き入れ、往年の歌謡曲のようなサウンドを目指した緻密なアレンジが施されました。ベース演奏には根岸孝旨氏、ハープ演奏には朝川朋之氏といった実力派ミュージシャンも参加し、楽曲の完成度を高めています。chay自身も「多保さんにご指導を受けながら、1000本ノックくらいの勢いでレコーディングした」と語るほど、熱意のこもったレコーディングが行われました。

1960年代アメリカのテレビ番組風ミュージックビデオ

ミュージックビデオも、楽曲の世界観を反映したこだわりの演出が施されています。1960年代のアメリカのテレビ番組を模したスタジオセットで、chayが11人のビッグバンドを従え、レトロなワンピース姿でギターの弾き語りをするという構成です。chayのギターにはスワロフスキーがあしらわれ、衣装や髪型も60年代風という徹底ぶりです。

大ヒットを記録した主題歌

「あなたに恋をしてみました」は、配信売上45万ダウンロード、YouTube再生回数1000万回超えを記録するなど、大ヒットを記録しました。レコチョクシングルチャートで首位を獲得し、2015年上半期ランキングでは第4位にランクイン。iTunesでも首位を獲得し、10週連続トップ10入りを果たすロングヒットとなりました。テレビ朝日『SmaSTATION!!』の企画「結婚式でよく使われるウェディングソング・ベスト13」では第12位にランクイン、有線放送の「2015年間USENヒットランキング」では第2位にランクインするなど、2015年を代表するヒット曲となりました。

カップリング曲も充実

カップリング曲「Again」は、EXILEの楽曲を思わせるフックが印象的な楽曲で、TBS系月曜ゴールデンスペシャルドラマ『全盲の僕が弁護士になった理由〜実話に基づく感動サスペンス!〜』のエンディングテーマにも起用されました。さらに、「Love is lonely」やビートルズのカバー「Let It Be (Acoustic Ver.)」も収録されており、バラエティに富んだ内容となっています。初回限定盤には、『CanCam』とのコラボレーションパッケージ、ブックレット、chayデザインのリボン型ヘアゴム、アクセケースなどの豪華特典も付属していました。

「あなたに恋をしてみました」は、60年代へのオマージュと現代的なセンスが見事に融合した、chayの代表曲の一つと言えるでしょう。その魅力は、サウンド、MV、そして楽曲が持つストーリー性、そして大ヒットという結果に表れています。

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