あの人に逢ったら

西田佐知子の歌声で知られる「あの人に逢ったら」（あのひとにあったら）は、1968年10月にポリドール・レコード（現在のユニバーサルミュージック）からシングル盤としてリリースされました。品番はSDR-1375です。

楽曲の詳細

表題曲である「あの人に逢ったら」は、昭和歌謡を代表する作曲家の一人、宮川泰が作曲と編曲を手がけました。作詞を担当したのは、シャンソン歌手として名高い越路吹雪のマネージャーも務めていた岩谷時子です。哀愁を帯びた旋律に、再会を願う切ない心情を描いた岩谷氏の歌詞が乗り、聴く者の心に響く楽曲となっています。演奏はモダン・シンフォネットが担当しています。

カップリング曲には、「にくい人」が収録されています。こちらは、こうじはるかが作詞、倉知輝が作曲および編曲を担当しました。

NHK紅白歌合戦での披露

この「あの人に逢ったら」は、発売された年の大晦日に放送された『第19回NHK紅白歌合戦』で、西田佐知子によって歌唱されました。彼女にとって、この出演は連続8回目にあたります。この時の紅白歌合戦は映像が残されている貴重な回の一つですが、保存状態が悪くテープの傷みが激しいという問題がありました。そのため、後にNHK-BS2で放送された『思い出の紅白歌合戦』では、歌唱シーンの一部が静止画像として使用されるという異例の対応がとられました。具体的には、2番目の歌詞を歌う場面から1番目の歌詞に戻って歌う部分が静止画で放送されましたが、幸いにも歌唱音源自体はそのまま放送され、当時の歌声を聴くことができます。第19回紅白歌合戦に関するより詳細な情報は、当該項目で確認することができます。

主な収録作品

「あの人に逢ったら」は、西田佐知子の代表曲として、後年発売された多くのベストアルバムや大全集に収録されています。主なものとしては、2003年にリリースされた『GOLDEN☆BEST 西田佐知子』（UICZ-6041）、2007年の『西田佐知子歌謡大全集』（UPCY-9096/100）、そして2009年発売の『初めての街で 〜西田佐知子ベストセレクション〜』（UPCY-6543）などが挙げられます。

この楽曲が発表された1968年は、日本の音楽シーンにおいて多様なジャンルの楽曲が生まれていた時代であり、本楽曲もその中で多くのファンに愛されました。現在も、当時の歌謡曲を振り返る際に欠かせない一曲として、大切に聴き継がれています。

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