あやなみ (護衛艦)

護衛艦あやなみについて

護衛艦あやなみ（ローマ字：JDS Ayanami, DD-103、ASU-7004）は、日本の海上自衛隊に所属する重要な艦船です。あやなみ型護衛艦の1番艦で、その名前は「重なりあって寄せる波」に由来しています。あやなみという名は過去にも神風型駆逐艦の初代「綾波」や吹雪型駆逐艦の「綾波」に引き継がれ、3代目の艦名として多くの人々に知られています。

艦歴の歩み

「あやなみ」は、1956年11月20日に三菱重工業長崎造船所で起工され、1957年6月1日に進水しました。そして、その後1958年2月12日に艦籍に記載され、横須賀地方隊に編入されました。1958年3月16日には、新たに編成された第8護衛隊に「うらなみ」とともに配属され、同年8月からは海上自衛隊の第2回遠洋練習航海に参加することになります。

その後も「あやなみ」は様々な訓練や航海に従事し、1961年及び1968年にはそれぞれ行われた遠洋練習航海にも参加しました。1958年10月には第1護衛隊群に編成替えされ、その後の1959年4月には新たに編成された第9護衛隊に「うらなみ」と共に編入されることとなります。

改修と近代化

1962年から1963年にかけて、艦の機器や装備の近代化が行われ、未装備だった電波探知装置（ESM）が装備されることになりました。この他にも、捜索ソナーのOQS-12変換や攻撃ソナーのOQY-2への換装など、様々な近代化工事が実施されました。1965年7月には後甲板の爆雷投射機や爆雷投下軌条が撤去され、新たに可変深度式ソナー（VDS）OQA-1が搭載されるなど、進化を遂げていきました。

1970年には、より強力な対潜攻撃能力を持つ68式3連装短魚雷発射管が装備され、1971年には護衛艦隊隷下に新編された第4護衛隊群に編成替えが行われます。

扶助艦への転換

1979年10月19日には、台風の避泊中にノルウェーの貨物船と衝突する事故が発生しました。この事故では艦の舷側に大きな破口ができましたが、乗組員に被害はなく、艦は自力で横須賀基地に帰港しました。1983年3月30日には、特務艦に種別変更され、艦籍番号もASU-7004に変更され、以後は呉地方隊に直轄艦として編入されました。

1986年12月25日、28年間にわたる艦歴を経て、あやなみは除籍されました。この艦はその航海の中で、地球を28周分に相当する60万浬を旅しました。

文化的影響

護衛艦あやなみは、1963年に発表された漫画「サブマリン707」にも登場しています。この作品では、707の救援に駆けつけ、潜水艦の攻撃に遭遇しながらも、敵を撃沈する力強い姿が描かれています。

参考文献

• - 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』（並木書房、2002年）
• - 『世界の艦船 増刊第63集 自衛艦史を彩った12隻』（海人社、2003年）
• - 『世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』（海人社、2004年）

護衛艦あやなみの艦歴は、多くの人々に愛され、学びの対象となってきました。その背後には、数々の技術革新や艦の改修があり、海上自衛隊の重要な役割を担ってきた歴史的な存在です。

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