ある愛の詩

映画『ある愛の詩』の概要

『ある愛の詩』（Love Story）は、1970年にアメリカで公開された恋愛映画です。アーサー・ヒラーが監督を務め、ライアン・オニールとアリ・マッグローが主演するこの作品は、エリック・シーガルの同名小説を原作としており、映画と小説が同時に制作されました。特に映画が先に完成し、その脚本を基にした小説が後に書かれるという形態をとっています。その後、小説が先に発表され、数週間後に映画が公開されることとなりました。

この映画は、その感情豊かな描写や名言が話題となり、1978年には続編『続・ある愛の詩』が公開されるほどの人気を誇ります。また、アカデミー作曲賞をフランシス・レイが受賞し、複数の部門でアカデミー賞にもノミネートされ、ゴールデングローブ賞では作品賞（ドラマ部門）を受賞しました。

ストーリーの紹介

物語は、裕福な家柄に生まれたオリバーと、家柄の異なるジェニーとの恋愛を描いています。オリバーはハーバード大学出身で、長い伝統を有する家柄の子息ですが、彼はラドクリフ大学に通う平凡な女の子、ジェニーと恋に落ちます。二人はオリバーの父からの反対を押し切って結婚を決意します。

しかし、幸せな日々は長くは続かず、24歳になったある日、ジェニーが白血病で余命宣告を受けることになります。オリバーは高額な医療費を父親に求めるものの、ジェニーの病状は悪化する一方で、彼女は最終的に命を落とします。オリバーは父親との和解を経て、ジェニーの残した「愛とは決して後悔しないこと」という言葉を心に刻み、二人の思い出の場所を訪れて思い出を振り返ります。

キャスト

この作品には、以下のようなキャストが出演しています。

• - ジェニー・カヴァレリ: アリ・マッグロー
• - オリバー・バレット4世: ライアン・オニール
• - フィル・カヴァレリ: ジョン・マーリー（ジェニファーの父）
• - オリバー・バレット3世: レイ・ミランド
• - その他、ラッセル・ナイプやキャサリン・バルフォーなどが脇を固めています。

日本語吹替版も存在し、特に「デジタル・リマスター版 50th アニバーサリー・エディション Blu-ray」にはVOD版が収録されています。

作品の評価と影響

『ある愛の詩』は、劇中のセリフ「Love means never having to say you're sorry.」（愛していれば後から謝ったりしなくていい）などが多くの人に愛され、映画としての評価も高いものとなっています。Rotten Tomatoesでは、高評価の評論が68%に達し、Metacriticでも84点という高スコアを記録しています。時代の流れに敏感な角川春樹は、この映画の成功を捉え、「純愛ブームは10年周期で来る」と考え、原作の日本語版の出版にも成功しました。

監督の大林宣彦は、アメリカの封切り時に映画を見て本作のヒットの理由を考えていました。ベトナム戦争後の厳しい時代にあって、観客が純愛ドラマを求めていたことを理解していたそうです。彼はさらに、自身の活動においてこの映画から得た「メディアミックス」の視点を活かしていきました。

大学における英語の授業でも一部が教材として使用されるほど影響力の強い作品であり、今なお多くの人々の心に残るラブストーリーです。

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