ある皇后の運命の歳月

映画『ある皇后の運命の歳月』について

1957年にオーストリアで公開された『ある皇后の運命の歳月』（Sissi – Schicksalsjahre einer Kaiserin）は、歴史的なテーマを扱ったカラー[[映画]]で、シシー皇后の物語の完結編と位置づけられています。この作品は、1955年の『プリンセス・シシー』、1956年の『若き皇后シシー』に続くシリーズの最終章です。日本では劇場公開はされませんでしたが、DVDが発売され、『エリザベート3　運命の歳月』というタイトルでも知られています。

あらすじ

物語は宮廷生活に窮屈さを覚えたシシー皇后が、愛するハンガリーで娘ジゼラと共に滞在するところから始まります。彼女はアンドラーシ伯爵の仲介を得て、反対勢力貴族との会見を行い、皇帝フランツが皇后を迎えに来るまでの間、貴族たちとの関係を築こうと奮闘します。しかし、シシーは急な胸の痛みに襲われてウィーンへと帰国し、医師から結核の診断を受けます。健康回復のための転地療養が指示され、夫フランツと娘との接触を断たれるという困難な状況に直面します。

シシーはポルトガルのマデイラ島へと向かい、そこで療養を続けますが、なかなか快方に向かいません。しかし、彼女の母ルドヴィカが看護に加わることで励まされ、ギリシャのコルフ島での療養において奇跡的に病気が治癒します。その後、帰途に就いたシシーは夫フランツと再会し、オーストリアの支配に対して友好を築くために北イタリアのミラノとヴェネチアを公式訪問します。

しかし、訪問先では冷たい出迎えを受け、新たな挑戦が待ち受けています。しかし、その旅の中でシシーが娘ジゼラとサン・マルコ広場で感動的な再会を果たすと、本来の冷静さを失った市民たちの心が動かされ、「皇后万歳」の声が響き渡ります。シシーの迷いと家族との絆、そして政治的困難を乗り越える姿が描かれることで、彼女の成長を感じることができる物語となっています。

キャスト

この映画では、シシー役をロミー・シュナイダーが演じ、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世役にはカールハインツ・ベーム、母ルドヴィカ役にはマグダ・シュナイダーが起用されています。また、父マクシミリアン役のグスタフ・クヌートや、姉ヘレーネ役のウタ・フランツなど、個性的なキャストが揃っています。特に、エルンスト・マリシュカ監督による脚本・演出が際立つ作品として、多くのファンに愛されています。

スタッフ

スタッフ陣には、音楽を担当したアントン・プロフェスを始め、撮影を手掛けたブルーノ・モンディ、編集を行ったアルフレート・スルプ、美術を担当したフリッツ・ユプトナー＝ヨンストルフなど、実力派が揃っています。彼らの協力によって、華やかでありながらも深いメッセージを持つ名作が誕生しました。

この映画は、シシーの人間像に迫ると同時に、愛する人々との絆や成長、そして歴史を背景にしたドラマが展開される、感動的な作品として評価されています。

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