プリンセス・シシー

映画『プリンセス・シシー』の魅力

『プリンセス・シシー』（原題：Sissi）は、1955年にオーストリアで製作された歴史ロマン映画です。この映画は、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と彼の皇后エリーザベト（シシー）の出会いを描いており、エルンスト・マリシュカ監督によるもので、ロミー・シュナイダーとカールハインツ・ベームが主演しています。なお、ロミー・シュナイダーの実母であるマグダ・シュナイダーも劇中でエリーザベトの母親役を演じている点が特徴的です。

ストーリーの概要

物語は、若き皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と彼の未来の配偶者であるエリーザベトとの運命的な出会いから始まります。二人の愛がどのように育まれ、様々な困難を乗り越えながら結婚へと至るのかが描かれています。映画は大衆向けの娯楽作品として制作されており、史実からは若干の脚色が施されていますが、その魅力的なキャラクターたちと美しい映像によって、多くの観客の心を惹きつけました。

日本では、この映画は1959年に公開され、当時の皇太子の御成婚を記念して上映されました。さらに、2009年にはDVDが発売され、今でも多くのファンに愛されています。DVDのタイトルは『エリザベート ロミー・シュナイダーのプリンセス・シシー』です。

続いて製作された『若き皇后シシー』と『ある皇后の運命の歳月』の2作も存在しますが、これらは日本での劇場公開は行われていません。しかし、ロミー・シュナイダーはその後1972年に公開されたルキノ・ヴィスコンティ監督の映画『ルートヴィヒ』でも再びエリーザベト役を演じました。

キャスト

主要キャストとして、エリーザベト役にはロミー・シュナイダー、フランツ・ヨーゼフ1世役にはカールハインツ・ベームがいます。他にも、エリーザベトの母ルドヴィカ役にマグダ・シュナイダー、父マクシミリアン役にグスタフ・クヌート、姉ヘレーネ役にウタ・フランツ、フランツ・ヨーゼフの母ゾフィー役にフィルマ・デギッシャーがキャスティングされています。これらの俳優たちの演技も作品の魅力を一層引き立てています。

音楽とスタッフ

本作の音楽はアントン・プロフェスが担当し、映像とともに物語の世界観をより豊かに表現しています。スタッフには、監督・脚本のエルンスト・マリシュカ、製作のカール・エーリッヒ、撮影監督のブルーノ・モンディなど、映画制作における名手たちが揃い、作品全体のクオリティを高めています。

アニメ版とパロディ

1997年から放送されたフランス・カナダ合作のテレビアニメ『プリンセス・シシー』もあり、こちらは全52話のシリーズですが、日本では放映されていません。同様に2007年にはアニメ『皇帝とわ・た・し』も制作され、日本でも2010年に放送されました。このパロディ版は、CGアニメーションによって描かれ、独自の視点でシシーの物語を楽しむことができます。

『プリンセス・シシー』は、今日でも多くの人々に愛される作品であり、その美しい映像と切ない恋物語は、今後も語り継がれていくことでしょう。

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