いずも (護衛艦)

護衛艦「いずも」についての詳細

概要

「いずも」(JS Izumo, DDH-183)は、海上自衛隊が運用するヘリコプター搭載護衛艦（DDH）で、現時点では軽航空母艦への改装が進められています。いずも型護衛艦の初代艦であり、その名称は歴史的な出雲国から取られています。この艦は、旧海軍の装甲巡洋艦「出雲」以来、海上自衛隊における「いずも」としての歴史を引き継いでいます。

全長248メートル、満載排水量26,000トンというその大きさは、海上自衛隊の艦船の中でも最大級です。艦の甲板は艦首から艦尾まで一体化した全通式で、艦載機の発着に対応しています。海外メディアによっては「ヘリ空母」とも分類され、多くの注目を集めています。建造費は1139億円であり、その経済的な側面も話題となりました。

艦歴

「いずも」は、2012年に横浜で起工され、2013年に命名・進水、2015年には正式に就役しました。就役当初から、災害派遣任務にも従事し、平成28年の熊本地震では、被災地支援のために陸上自衛隊の部隊を輸送しました。この背景には、海上自衛隊としての防災任務の強化が大きく影響しています。

主な任務と訓練

就役以来、いずもはさまざまな任務に従事してきました。例えば、2017年にはアメリカ海軍艦船の護衛任務を初めて実施し、この際には南シナ海での共同訓練にも参加しました。さらに、2019年には韓国への入港を見送るなど、政治的な背景にも翻弄されています。

航行中には、数々の国際共同訓練に参加し、アメリカ、インド、オーストラリアなどとの連携が強調されています。2021年にはF-35Bの発着艦試験に成功し、次世代の艦載機運用に向けた重要なステップを踏み出しました。これにより、いずもは従来の護衛艦の枠を超えて、航空機運用能力を持つ艦船へと進化を遂げつつあります。

サミット対応と国際交流

いずもは、G7広島サミットの際には英国首相の来艦を受けたり、国際海洋防衛装備展示会への参加を通じて、日本の海上自衛隊のプレゼンスを国際的に示しています。また、艦内には出雲大社から勧請された神社があり、精神的な側面も併せ持っています。

改修計画と今後の展望

「いずも」は、2020年度からF-35Bの運用を可能にするための改修が進められています。甲板の耐熱強化や新しい電源設備の設置が行われ、令和4年度予算ではさらなる改修費用も計上されており、将来的にはカタパルトを用いた運用も検討されています。

結論

護衛艦「いずも」は、単なる護衛艦ではなく、様々な任務を遂行できる多機能艦船としての地位を確立しています。今後の改修や新技術の導入により、さらなる役割が期待されており、海上自衛隊のグローバルな安全保障活動において重要な役割を果たし続けることでしょう。

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