いたずら教室

いたずら教室：学級崩壊とオオカミ教師の奮闘

『いたずら教室』（原題：Blackboard Jumble）は、アメリカのアニメーションスタジオ、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー（MGM）が1957年に制作した短編アニメーション作品です。監督はマイケル・ラー。ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラが制作総括を務めたことでも知られています。

この作品は、片田舎の学校を舞台に、教師として赴任してきたオオカミと、悪ガキ3匹のドルーピーたちの騒動を描いています。オオカミは、前任の犬の教師ブッチが「現代教育」のストレスで発狂し、逃げ出した後任として学校にやってきます。

オオカミは当初、自信満々で授業に臨みます。しかし、ドルーピーたちはいたずら好きで授業を妨害し、学級崩壊状態にある教室をさらに混乱に陥れます。オオカミは、お絵かきなど、穏やかな授業を試みますが、ドルーピーたちのいたずら攻勢の前に、次第に冷静さを失っていきます。

ついに、オオカミは暴力的な手段に出ますが、ドルーピーたちの方が一枚上手。オオカミの作戦はことごとく失敗し、大騒動に発展します。最後は、大砲まで登場する大乱闘の末、オオカミも精神的に参ってしまい、ブッチと同じく学校から逃げ出すという結末を迎えます。

この作品は、1955年のMGM映画『暴力教室』（原題：Blackboard Jungle）のタイトルを捩ったものと見られています。また、マイケル・ラー監督は、『勝利はいただき』や『良い子のしつけ方』といった作品にも携わっており、それらの作品と共通するユーモラスな演出が随所に見られます。さらに、オオカミとスパイク、あるいはブッチが共演する唯一の作品としても注目に値します。

登場キャラクター

オオカミ: 主人公。口笛の名手であり、「Kingdom Coming」を奏でながら登場します。教師としての経験はなく、ドルーピーたちのいたずらに翻弄されながらも、彼らを教育しようと努力しますが、結果的に失敗してしまいます。
ドルーピーら（3匹のバセットハウンド）: 通常は善人役が多いドルーピーですが、この作品では稀にみる悪役として登場。無表情なことが多い彼らですが、本作では鋭い眼光で、教育不可能な悪ガキぶりを発揮します。
犬の先生（ブッチ）: オオカミの前任教師。ドルーピーたちのいたずらに耐え切れず、精神崩壊し、学校から逃げ出してしまいます。

作品の魅力

『いたずら教室』は、教育問題をコミカルに描いたブラックユーモアあふれる作品です。学級崩壊や、教師の負担といった現代社会にも通じるテーマを、テンポの良いギャグと、個性的なキャラクターたちによって描き出しています。オオカミの奮闘、ドルーピーたちのいたずら、そして、予測不能な展開の数々は、観る者を飽きさせません。

MGM作品らしいクオリティの高いアニメーションと、時代を超えて楽しめるユーモアは、アニメーションファンのみならず、多くの人々を魅了するでしょう。日本のテレビ放映では、TBS版『トムとジェリー』の短編として放送され、親しまれてきました。

関連事項

マイケル・ラー
ドルーピー
トムとジェリー
学級崩壊
ゆとり教育
* メトロ・ゴールドウィン・メイヤー

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