桑田佳祐「いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)」:詳細解説
1988年3月16日、
桑田佳祐のソロ第二作目の
シングル「いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)」がリリースされました。8cmCD、7インチ
レコード、カセットテープという当時のフォーマットで発売され、
2001年には12cmCD、
2016年にはダウンロード配信、
2019年にはストリーミング配信と、時代に合わせて様々な形でリスナーに届けられています。
この楽曲は、前作「
悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)」から約5ヶ月ぶりのリリースとなりました。アレンジには、前作に引き続き
小林武史氏と
藤井丈司氏が参加。
オリコンチャートでは累計24万枚というセールスを記録し、その人気を証明しています。
楽曲の詳細
シングルにはA面「いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)」とB面「SHE'S A BIG TEASER」の2曲が収録されています。収録時間は計10分44秒です。
A面:いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)
作詞・作曲:
桑田佳祐
編曲:
小林武史 with
桑田佳祐、
藤井丈司
この曲は、
日本航空「JAL '88 沖縄キャンペーン」のイメージソングとして使用されたほか、映画『
彼女が水着にきがえたら』の挿入歌にも起用されました。さらに近年では、
ユニクロ「Life Wear/きれリラ 雨やどり編」のCMソングとしても使用されており、幅広い世代に親しまれています。ミュージックビデオは、ジャケット撮影やCM撮影の合間、メイキング映像などを中心に構成されており、「'88 JAL CMソングとして現在放送中。」というテロップが流れる場面もあるなど、当時を懐かしむ要素も含まれています。
特筆すべきは、映画『
彼女が水着にきがえたら』との関わりです。同映画の主題歌・挿入歌は全て
サザンオールスターズの楽曲で構成されており、
桑田佳祐のソロ作品が使用されたのはこの曲のみ。これは脚本家の
一色伸幸氏が制作中に
サザンオールスターズ、そして
桑田佳祐の楽曲を聴き込み、この曲に惚れ込み、桑田氏にどうしても使用したいと直訴した結果、承諾を得たというエピソードがあります。
B面:SHE'S A BIG TEASER
作詞:Tommy Snyder &
桑田佳祐
作曲:
桑田佳祐
* 編曲:
桑田佳祐 &
藤井丈司 & Sammy Merendino & T.Bone Wolk
日本コカ・コーラのキャンペーンソングとして制作されたこの曲は、ホール&オーツとの共同作業によって、
ニューヨークの
ザ・ヒット・ファクトリーでレコーディングされました。その後、ミュージックビデオは
ルイジアナ州ニューオーリンズ郊外のティボドーで撮影されました。ミュージックビデオ(別ミックス)とメイキング映像を収録したビデオテープが抽選でプレゼントされたことも話題となりました。
レコーディングは全て英語で行われ、ホール&オーツとも英語でコミュニケーションを取ったため、
桑田佳祐氏にとって相当なストレスとなり、胃潰瘍になったという逸話も残っています。
参加ミュージシャン
「いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)」には、
桑田佳祐氏に加え、
小林武史氏、
藤井丈司氏、原田末秋氏、
そうる透氏などが参加しています。一方、「SHE'S A BIG TEASER」には、
桑田佳祐氏、ホール&オーツ、Sammy Merendino氏、
藤井丈司氏、
松田弘氏、Ricky Peterson氏、Pat Burchman氏、
河内淳一氏らが参加し、豪華な布陣となっています。
収録アルバム、ミュージックビデオ、ライブ映像作品、カバー
この楽曲は様々なコンピレーションアルバムに収録されています。また、ミュージックビデオはビデオ作品に収録され、ライブパフォーマンスも映像作品に残されています。さらに、
香港の歌手、デイビッド・ロイ(呂方)が1991年に
広東語でカバーした「月兒能做證」も存在し、その音楽的影響力の広さを示しています。
「いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)」は、単なる楽曲にとどまらず、様々な出来事や人々との関わりによって、時代を超えて愛され続ける名曲と言えるでしょう。その背景や制作過程を知ることで、楽曲への理解と魅力はさらに深まることでしょう。