いつか黄昏の街で

テレビドラマ『いつか黄昏の街で』の概要

『いつか黄昏の街で』は、1981年の10月から12月までTBS系列の「木曜座」で放送されたテレビドラマです。毎日放送が制作を担当し、全13話で構成されています。この作品は、ファッション業界を背景にした物語であり、デザイナーやモデルたちの激しい引き抜き競争が展開される中で、男女の愛憎劇が描かれています。

あらすじ

物語は、ファッションメーカーで窓際営業マンとして働く瀬川高之と、デザイナーを目指すモデルの和泉杏子を中心に進行します。二人はある日、黄昏の銀座で偶然出会い、杏子は高之に「ホテルのトイレで自殺を図ったみどりを見つけてほしい」と助けを求めます。この出来事をきっかけに、彼らは次第に惹かれ合います。

しかし、物語が進むにつれて、二人は職業的なライバルに変わります。高之と杏子は協力しながらも、お互いの将来を賭けて敵対する運命に導かれます。その中で、互いに抱く忠誠心をコントロールしなければならず、複雑な感情が絡まり合います。また、高之には婚約者がいる上に、名の知れたデザイナーである真弓アイコとの関係も持っており、この3人の女性との交錯が、物語にさらなる緊張感を与えます。

このドラマは、外見だけでなく内面の葛藤や人間関係の深さを描写し、視聴者に強い印象を残しました。登場人物たちの感情の揺れ動き、そして彼らを取り巻く状況が複雑に絡み合うことで、ドラマは単なる恋愛ものとしてだけではなく、職業や夢と愛の交錯を描いた深いテーマを持っています。

主なキャスト

このドラマの主演は、沢田研二が演じる瀬川高之です。彼はかつての名作『悪魔のようなあいつ』以来、6年ぶりの連続ドラマ出演となりました。また、和泉杏子役を多岐川裕美が担い、他にも中山仁、佐藤友美、近藤洋介、浜田光夫といった豪華なキャストが揃っています。特に、同じザ・タイガースのメンバーである岸部シローとの共演が話題となりました。

スタッフ

このドラマの制作には多くの優れたスタッフが関与しており、プロデューサーには飯島敏宏、阿部祐三、山田尚が名を連ねています。脚本を手掛けた田向正健は、観客を引き込む緻密なストーリーテリングで高く評価されました。演出は楠田泰之を中心に行われ、独特な美術や音楽もその魅力を引き立てています。

音楽と放送

本作品の主題歌にはエア・サプライの『あなたのいない朝（I'll Never Get Enough Of You）』が使用され、これがドラマの感情を一層高めました。

『いつか黄昏の街で』はTBS制作以外で、毎日放送が緑山スタジオを初めて使用したドラマでもあり、放送当時の多くの視聴者に強い印象を残しました。

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