いて座シグマ星

いて座σ星（σ Sgr）は、いて座において2番目に明るい恒星で、その輝きは2等星に分類されます。この星は、南斗六星を形成する重要な星の一つとしても知られています。

概要

いて座σ星は、太陽の約7倍もの質量を持つ巨大な恒星です。この大きな質量のために、中心核での核融合反応が非常に速く進行し、その結果、星の寿命は比較的短いと推測されています。科学者たちは、この星がおよそ5000万年ほどで寿命を終え、最終的には太陽と同程度の質量を持つ白色矮星になると予測しています。

いて座σ星は黄道に非常に近い位置にあるため、月による掩蔽（星が月の背後に隠れる現象）が起こり得ます。さらに、稀なケースでは惑星による掩蔽も観測されることがあります。過去には、1981年11[[月17日]]に金星による掩蔽が実際に観測されました。この星は、地球から見て外側の惑星によって掩蔽が起こる星としては、最も明るいものの一つです。しかし、火星による掩蔽は非常に稀であり、直近の例は西暦423年9[[月3日]]まで遡ります。

名称

いて座σ星は、「Sigma Sagittarii」と表記され、略称は「σ Sgr」です。この星には「ヌンキ (Nunki)」という固有名も与えられています。この名前は、古代シュメールの象形文字が刻まれた石版に由来するバビロニアの名前であり、アメリカの博物学者リチャード・ヒンクリー・アレンによって広く知られるようになりました。アレンは、この星が位置する星座が海に関連する星座に続くことから「海のしるし」という意味をこの名前に与えたとされていますが、この名前の正確な意味は定かではありません。古代バビロニアでは、ヌンキはユーフラテス川沿いに位置する都市エリドゥの守護神であるエンキの天球上での姿であると考えられていました。2016年8月21日、国際天文学連合（IAU）の恒星の命名に関するワーキンググループ（WGSN）は、ヌンキを正式にいて座σ星の固有名として承認しました。

外部リンク

いて座σ星 - Wikisky
DSS2、SDSS、GALEX、IRAS、Hα、X線などのデータ、天体写真、天体地図、関連する記事と写真が掲載されています。

もう一度検索