いろは丸展示館

いろは丸展示館は、広島県福山市鞆の浦に位置する博物館で、1867年に備後灘で発生した「いろは丸事件」に関する資料を展示しています。この事件は、坂本龍馬率いる海援隊の「いろは丸」と、紀州藩の「明光丸」が衝突・沈没したもので、日本の近代史における重要な出来事の一つです。

展示館は、鞆の浦のシンボルである常夜灯のすぐそばにある、江戸時代に建てられた土蔵「大蔵」を利用しています。この土蔵は国の登録有形文化財にも指定されており、歴史的な雰囲気の中で展示を鑑賞できます。

館内では、沈没したいろは丸から引き揚げられた陶器や部品などの貴重な資料が、沈没状況を再現したジオラマとともに展示されています。ジオラマは、海底20mに眠るいろは丸の一部を70%の原寸大で再現したもので、当時の様子をリアルに感じることができます。

2階には、坂本龍馬の隠れ部屋が再現されています。これは、龍馬が事件後、鞆の浦に滞在した際に身を隠したとされる場所をイメージしたものです。部屋には、高知県の造形作家・岡本驍氏が制作した等身大の龍馬の蝋人形が置かれており、当時の龍馬の姿を偲ぶことができます。

展示館は、地元の鞆酒造株式会社によって運営されています。鞆酒造は、鞆の浦の地で長年にわたり日本酒を造り続けており、展示館では、いろは丸事件に関する資料の展示とともに、鞆酒造の歴史や酒造りに関する情報も紹介しています。

交通アクセス

JR山陽本線または山陽新幹線 福山駅から鞆鉄バスで約30分、「鞆の浦」バス停下車後、徒歩5分
専用駐車場はありません。近隣の鞆城址などに観光客用の市営駐車場がありますが、数に限りがあります。

周辺情報

いろは丸展示館の周辺には、鞆の浦の美しい景観や歴史的な建造物など、様々な観光スポットがあります。

鞆の浦：江戸時代の港町の面影を残す美しい景観が魅力。散策や食べ歩きが楽しめます。
太田家住宅・鞆七卿落遺跡：江戸時代の豪商の邸宅と、幕末に都落ちした七卿の遺跡。
安国寺：鎌倉時代創建の古刹。庭園や多宝塔が見どころです。
円福寺：聖徳太子創建と伝わる古刹。本堂や三重塔が見どころです。
福禅寺：海を見下ろす高台に建つ寺院。客殿からの眺めは絶景です。
沼名前神社：鞆の浦の総鎮守。能舞台や神輿蔵など、歴史的な建造物があります。
鞆の浦歴史民俗資料館：鞆の浦の歴史や文化に関する資料を展示。
法宣寺：日蓮宗の寺院。本堂や鐘楼が見どころです。
* 磐台寺観音堂（阿伏兎観音）：海に突き出た岩の上に建つ観音堂。絶景が楽しめます。

いろは丸展示館は、いろは丸事件の歴史を学び、坂本龍馬の足跡を辿ることができる貴重な場所です。鞆の浦を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

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