いわしげ孝

いわしげ 孝（いわしげ たかし）の生涯と業績

いわしげ孝（読みは同じ）、本名は岩重孝、1954年12月31日に鹿児島県鹿児島市に生まれました。彼は2013年3月6日に58歳で逝去するまで、数多くの漫画作品を残した日本の漫画家です。彼の生涯は、芸術の道を歩む覚悟と探求でもありました。鹿児島工業高等学校を卒業後、二松學舍[[大学]]に進学し、学業と平行して漫画制作に取り組みました。

デビューまでの道のり

高校時代、いわしげは1970年に『週刊少年ジャンプ』の第5回新人漫画賞で「小さな命」が入選。この作品への評価は高く、審査員の本宮ひろ志からは「彼の作品は生命が感じられる」との言葉を受けました。この成功を受け、翌年にはデビュー作が同誌正月号に掲載され、プロの漫画家としての第一歩を踏み出しました。

初期の活動では、「スクラップ」が上期の手塚賞で佳作に選ばれ、同年の下期手塚賞でも「ブルースを歌う少女」が佳作に選出。若干高等学校に在学中ながら、漫画の技術への未熟さを自覚し、しばしば学業に専念していました。

高校卒業後、大学進学のために上京し、書店で働きつつ漫画制作を続けました。大学卒業後は、いよいよ本腰を入れて『ビッグコミック』に作品を投稿し、1978年に「忘れ雪」で第2回小学館新人コミック大賞に入選し、正式に漫画家としてのキャリアをスタートしました。

代表作とその活動

1980年の梅雨時に、美術家であるはるき悦巳と出会い、彼のアシスタントとして活動をすることになります。そこでの経験は、彼の漫画制作において重要な役割を果たしました。同行していたさかもと瓢作とも密接に連携し、はるきの作品『じゃりン子チエ』のアシスタントをしつつ、本業の漫画執筆にも力を入れました。

1986年には『ぼっけもん』にて第31回小学館漫画賞を受賞。この作品の成功は自身のスタイルとストーリーテリング能力の向上を示しています。また、1988年からは『ジパング少年』を連載、『いわしげ孝』というペンネームに改めて活動を続けました。

その後は、複数の誌面で活動を展開し、『花マル伝』や『まっすぐな道でさみしい -種田山頭火外伝-』など多彩な作品を手掛けました。特に『単身花日』は2006年から2008年にかけて連載され、人気を博しました。

晩年と遺作

いわしげは2013年3月6日に病気により亡くなるまで、漫画家として多大な影響を及ぼしました。遺作である『上京花日』は病気療養による休載を挟みつつも、いったん再開されましたが、未完のまま絶筆となりました。作品に対する情熱は生涯にわたるものでした。

彼の作品には、心温まるストーリーと独特なキャラクター描写が多く、多くの読者に愛され続けています。いわしげ孝の漫画家としての歩みは、日本の漫画界の歴史の中で色褪せることのない存在として記憶されているでしょう。

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