うそつきケイティ

『うそつきケイティ』 (Katy Lied)

アルバム概要

『うそつきケイティ』は、スティーリー・ダンによる1975年3月のアルバムで、ABCレコードからリリースされました。このアルバムは彼らの4作目となり、リリース後にゴールドアルバムに認定され、ビルボードチャートでは13位に達するなど商業的な成功を収めました。

メンバーの評価

しかし、アルバムの制作に関与したドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーは、音質の不具合について強い不満を抱えていました。特に、レコーディング機器の故障が影響し、音質が落ちたことが彼らにとって大きな障壁でした。フェイゲンとベッカーは、アルバムが完成した際にはその出来を聴くことを拒んだとも言われています。デニー・ダイアスによれば、特にA面5曲目の「ドクター・ウー」冒頭のサックスパートには顕著な不具合が認められるとのことです。この曲を注意深く聞くと、サクソフォンが無感情に響いているように感じられると語っています。それでも、現在では『うそつきケイティ』はフェイゲンとベッカーの重要な作品の一つとして評価されています。

アルバムタイトルとジャケット

アルバムのタイトル「Katy Lied」は、同アルバムに収録されている「ドクター・ウー」の歌詞に由来しています。また、ジャケットにはキリギリスが描かれており、英名の「katydids」にも触発されています。日本語タイトルは、初回リリース時の1975年には「嘘つきケイティ」と表記されていましたが、1976年の再発売以降、1980年代まで「うそつきケティ」の表記が使われました。1990年代以降の再発売では「うそつきケイティ」の表記が再び採用されています。

収録曲について

アルバムには、スティーリー・ダンならではの多様な音楽スタイルが詰まっています。曲の合間にスムーズなメロディーと独特なリズムブレイクが組み合わさり、聴き手を魅了しています。特に「ドクター・ウー」は、歌詞と音楽が見事に融合することで、高い評価を受けています。

レコーディング・メンバー

このアルバムは多くの才能あるミュージシャンによって支えられました。ドナルド・フェイゲンがピアノ、キーボード、そしてボーカルを担当し、ウォルター・ベッカーはベースやギター、ボーカルを担当します。さらに、デニー・ダイアスがギターを演奏し、ハル・ブレインやラリー・カールトンなどのスタジオ・ミュージシャンも参加しています。これらのミュージシャンの存在が、このアルバムの音楽的な深みを生み出しています。

制作スタッフ

アルバムのプロデューサーはゲイリー・カッツ、エンジニアはロジャー・ニコルズが務めており、彼らの技術もアルバムの完成度に大きく寄与しています。

結論

『うそつきケイティ』は、音質の問題に対するメンバーの不満とは裏腹に、スティーリー・ダンの名盤として今なお多くのリスナーに愛されています。その独特な音楽スタイルや深い歌詞は、彼らのキャリアの中でも特に特筆すべき存在で、リスナーに強烈な印象を残し続けています。

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