うねめ通り

うねめ通りは、福島県郡山市の中心部を東西に貫く主要な幹線道路の一つです。古くから市の交通を支え、市民生活や経済活動において重要な役割を果たしています。

この通りは、区間によって異なる道路として指定されています。具体的には、郡山市桑野三丁目にある国道49号との交差点より西側は福島県道142号河内郡山線の一部を構成しています。また、若葉町にある福島県道57号郡山大越線や福島県道296号荒井郡山線との交差点（若葉町交差点）より東側は、郡山市道である若葉桑野線の一部となっています。さらに、若葉町交差点から西へ約200mほどの短い区間は、福島県道296号荒井郡山線に指定されています。このように、複数の道路指定を持つ複雑な経路の一部を担っています。

うねめ通りの歴史は、太平洋戦争中に郡山市が軍都として整備された際に遡ります。当時、市内に誘致された複数の軍事基地間を連絡する目的で、「安積橋・上亀田線」という名称の道路が計画・敷設されたのがその始まりです。しかし、終戦を迎えると、この軍事目的で造られた道路は未舗装のまま、長年にわたりあまり活用されずに放置されていました。

転機が訪れたのは1970年代以降です。特に1975年（昭和50年）に太田西ノ内病院が開院したことを皮切りに、沿線地域の開発が急速に進みました。その後、福島放送の本社やゼビオの本社、そして商業施設であるイトーヨーカドー郡山店（現在は閉店）、アメリカ村アークなどが次々と建設・開業しました。これらの施設が集積したことにより、うねめ通り沿線は郡山市の主要な市街地の一つへと変貌を遂げ、通り自体も市内を東西に結ぶ大通りとして、市民に広く認知され、不可欠な存在として定着していきました。

その歴史的経緯から、かつて市民の間では「軍用道路」という俗称で呼ばれることもありました。しかし、1981年（昭和56年）に郡山商工会議所が市内の主要道路に対して通称を定める取り組みを行った際、この区間には正式に「うねめ通り」という名称が与えられました。この時、旧国道4号の中心部区間が「昭和通り」、郡山総合体育館前の内環状線が「すずかけ通り」と名付けられるなど、他の道路にも通称が制定されましたが、それらが市民にあまり定着しなかったのに対し、「うねめ通り」だけは例外的に広く浸透し、現在に至るまで一般的に用いられています。

この通りは市内の主要な交通結節点とも交差しています。東端近くでは、若葉町交差点で福島県道57号郡山大越線や通称「昭和通り」として知られる福島県道296号荒井郡山線（旧国道4号）と接続します。そこから西へ進むと、並木一丁目交差点で内環状線と交差し、さらに西へ向かうと国道49号との桑野三丁目交差点に至ります。その先、西の端付近では国道4号郡山バイパスの上亀田交差点とも接続しています。これらの幹線道路のほか、コスモス通りなど、市内の重要な通りとも結ばれており、交通の要衝としての機能を果たしています。

将来に向けた整備計画としては、景観の向上や防災の観点から、うねめ通りを含む一部区間での電線地中化が予定されており、より快適で安全な通りへと進化していくことが期待されています。

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