おせっかい (アルバム)

ピンク・フロイドのアルバム『おせっかい』（Meddle）は、1971年に発表され、全英3位、全米70位を記録しました。このアルバムは、彼らがアーティストとして大きな飛躍を遂げるきっかけとなった重要な作品とされています。

アルバムタイトル「Meddle」は、「medal」（メダル）と「meddle」（干渉する、邪魔をする）という同音異義語をかけた洒落であり、言葉遊びの要素が込められています。

アルバムジャケットは、耳の写真と波紋の写真を重ねて作成されており、ヒプノシスによってデザインされました。このジャケットは、音楽の持つ神秘的な雰囲気を視覚的に表現しています。

概要

シド・バレット脱退後、ピンク・フロイドは本作で初めてバンドのみでオリジナル作品を作り上げました。それ以前のアルバム、『モア』はサウンドトラック、『ウマグマ』はライブとソロ作品、『原子心母』はロン・ギーシンの協力を得て制作されており、本作は彼らの自主性が際立つ作品と言えます。ニック・メイスンは「エコーズ」について、ピンク・フロイドが新たにスタートを切った曲だと語っています。

アルバムのオープニングを飾る「吹けよ風、呼べよ嵐」は、風の音が20数秒流れた後、ロジャー・ウォーターズとデイヴィッド・ギルモアによる不気味なベースラインが印象的なインストゥルメンタル曲です。曲中に聞こえる「One of these days, I'm going to cut you into little pieces（いつの日か、お前を細切れにしてやる）」という叫び声は、ニック・メイスンの声によるものです。この曲は、プロレスラーのアブドーラ・ザ・ブッチャーの入場テーマ曲として使用され、日本でもシングルカットされました。

他にも、ロジャース&ハマースタインの「You'll Never Walk Alone」を取り入れた「フィアレス」や、ジャズの要素を取り入れた「サン・トロペ」など、多様な楽曲が収録されています。「シーマスのブルース」は、スティーヴ・マリオットの愛犬シーマスの鳴き声をフィーチャーした、ユーモラスな実験作です。

そして、アルバムのハイライトは、アナログLPのB面全てを占める最終トラック「エコーズ」です。「原子心母」と並ぶ23分30秒にも及ぶ大作であり、ファンから非常に人気が高い楽曲です。メンバー4人の個性が融合した初期フロイドの傑作であり、2001年に発売されたベストアルバムのタイトルにも選ばれました。

エピソード

アルバムはアメリカではまずまずの評価を得ましたが、イギリスでの評価は高くありませんでした。ロジャー・ウォーターズはこの結果にショックを受け、憤慨したと言われています。

『おせっかい』のレコーディング終盤、ウォーターズは「Dark side of the moon」というタイトルの歌詞を書き下ろしました。これは、シド・バレットについて深く掘り下げた内容だったとウォーターズは語っています。

ジャケットのデザインとアルバムタイトルは、1971年8月の来日時に滞在していたホテルで、メンバーによるブレインストーミングによって決定されました。しかし、バンドとヒプノシスの双方は、ジャケットの仕上がりには満足していなかったようです。

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