おはら祭

おはら祭について

おはら祭（おはらまつり）は、鹿児島県の鹿児島市で、毎年11月2日と3日に開催される地域の伝統的なお祭りです。この祭りは鹿児島市の秋の風物詩として知られており、県内では「鹿児島三大まつり」の一つに数えられています。数万人の踊り手が参加し、街中が賑わいを見せるこの祭りは、多くの観光客にも愛されています。

祭りの特徴

おはら祭の主な見どころは、高見馬場交差点からいづろ交差点を経て桟橋通りに至るまでの約2万人の踊り連が行う踊りのパフォーマンスです。「鹿児島おはら節」や「鹿児島ハンヤ節」、「渋谷音頭」などの曲に合わせて、多様な踊りが披露されます。通常の総踊りに加えて、さまざまな催し物も企画されるため、参加者や観覧者は多彩な体験を楽しむことができます。

おはら祭は、前夜祭と本祭の二部構成で行われます。前夜祭では、地域の伝統に触れつつ、祭りの雰囲気を盛り上げるイベントが行われ、本祭ではメインの踊りや出店が集まり、多くの人で賑わいます。

祭りの歴史

おはら祭のルーツは、戦前の鹿児島市内の祭りや盆踊りに遡りますが、戦火による影響で多くのイベントが中断されました。1945年の鹿児島大空襲によって市内の93%が破壊され、神社や寺も多数消失しました。そのため、長い間祭りが行えない状況が続きました。

1949年、鹿児島市制60周年を記念して、市民の手による町の復興活動の一環としておはら祭が新たにスタートしました。この際、最初は自動車仮装パレードも実施されるなど、新しい形の祭りとして運営されました。

祭りが形を変えながらも続けられ、1983年には照国神社の人形市が初市として復活しました。しかし、1988年には昭和天皇の病状悪化のため中止され、2020年の新型コロナウイルスの影響でも条件付きで開催されるなど、変遷を重ねてきました。

祭りの運営

おはら祭は「おはら祭振興会」が主催し、鹿児島市役所観光振興課が事務局を務めています。2024年の時点で、この振興会は市や民間団体、企業など約40人で構成され、会長には市長が就任しています。この祭りの予算は4,500万円にのぼり、その約90%が鹿児島市の負担金として支出されています。

地域のイベントを担う鹿児島市観光振興課は、おはら祭と「かごしま錦江湾サマーナイト大花火大会」を主な行事として企画運営を行っています。事務局の場で持たれる会議を通じて、情報の確認や進行方針の決定が行われています。

テレビ中継

おはら祭は過去に県内の各テレビ局によって生中継され、多くの視聴者に祭りの模様を届けていました。特に、MBC南日本放送が1975年から参画し、2009年からは総踊りの模様を特別番組として放送するなど、多くの人々に親しまれています。その後の視聴率は高く評価され、特別番組が続けられています。現在もKTS鹿児島テレビやNHK鹿児島放送局などが参加し、祭りの様子を視聴者に届けています。

おわりに

おはら祭は、長い歴史を持つ伝統行事であり、地域の文化や誇りが詰まっています。毎年多くの人々が集まり、踊りや催しを楽しむことで、地域の連帯感を深めています。参加することで、祭りの魅力を体感し、更にその文化を次世代へと継承していくことが求められています。

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