鹿児島大空襲

鹿児島大空襲

鹿児島大空襲は、第二次世界大戦末期にアメリカ軍によって行われた、鹿児島県鹿児島市とその周辺に対する都市無差別爆撃の総称です。この空襲は、1945年（昭和20年）3月から8月にかけて合計8回にわたり行われ、鹿児島市は甚大な被害を受けました。

空襲の概要

鹿児島県は本土最南端に位置し、知覧、万世、串良といった特攻基地が存在したため、地方都市の中でも特に空襲が激しい地域でした。中でも1945年6月17日の空襲は、鹿児島市内一円に焼夷弾が投下され、死者2,316人、負傷者3,500人を出し、市街地の44.1%が損壊するという最大の被害をもたらしました。

この空襲によって、鹿児島市の人口は著しく減少し、市街地の93%が焼失する壊滅的な状況となりました。終戦までに、鹿児島市における空襲での死者は合計3,329人に達しました。民間人の犠牲者を悼み、1971年にはみなと大通り公園に慰霊碑「人間之碑」が建立され、毎年6月17日には献花式が行われています。

空襲の経過

1945年に行われた主な空襲の経過は以下の通りです。

3月18日：郡元町にあった鹿児島海軍航空隊が爆撃され、死者6人、負傷者59人が出ました。
4月8日：田上町、下荒田町、平之町、加治屋町、東千石町、新照院町が大型爆弾で爆撃され、死者587人、負傷者424人の被害が発生しました。
4月21日：長田町、山下町、東千石町、山之口町、樋之口町、平之町、新屋敷町が爆撃されました。
5月12日：鹿児島港付近が夜間空襲を受けました。
6月17日：鹿児島市内全域が焼夷弾による夜間空襲を受け、死者2,316人、負傷者3,500人という、鹿児島市への空襲で最大規模の被害となりました。この空襲直後の調査では、鹿児島市の人口は93,032人まで減少しています。
7月27日：鹿児島駅周辺の車町、恵美須町、柳町、和泉屋町が爆撃され、死者420人、負傷者650人の被害が出ました。鹿児島駅の列車発着時間帯に攻撃が行われたため、多くの犠牲者が出ました。
7月31日：清水町、池之上町、上竜尾町、下竜尾町が爆撃されました。
8月6日：下荒田町、原良町、薬師町が爆撃を受けました。

被害状況

鹿児島大空襲による被害は甚大で、建造物の被害は全焼20,497件、半焼169件、全壊655件、半壊640件に及びました。主な被害施設は以下の通りです。

公共施設

鹿児島県庁舎
鹿児島県警察部本部
鹿児島市役所本庁舎（6月17日に半壊）
鹿児島市公会堂
鹿児島市立病院

日本軍関係施設

鹿児島連隊区司令部
海軍人事部
鹿児島地区憲兵隊
鹿児島海軍航空隊

鉄道施設

鹿児島駅
西鹿児島駅

商業施設

山形屋本店
高島屋

教育施設

中学校 - 13校
小学校 - 11校


鹿児島大空襲は、多くの市民の命を奪い、街を破壊し、深い傷跡を残しました。この悲劇を二度と繰り返さないため、私たちは歴史から学び、平和の尊さを後世に語り継いでいく必要があります。

参考文献

鹿児島市史編さん委員会『鹿児島市史Ⅱ』鹿児島市、1970年

関連項目

* 日本本土[[空襲]]

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