鹿児島おはら節

鹿児島おはら節：歴史、歌詞、そして現代への影響

鹿児島おはら節は、鹿児島県に伝わる代表的な民謡です。別名「小原節」「小原良節」とも呼ばれ、力強いリズムと独特のメロディーで親しまれています。鹿児島市で開催されるおはら祭では、このおはら節に合わせて華やかな踊りが披露され、多くの人々を魅了します。東京都渋谷区でも「渋谷・鹿児島おはら祭」として盛大に開催されるなど、その人気は県外にも広がっています。

有名な歌い出し「花は霧島 煙草は国分 燃えて上がるは オハラハー 桜島」は、多くの人に知られていますが、2番以降の歌詞は歌い手によって若干の違いが見られます。この歌詞からも、鹿児島の自然や歴史が感じられます。

由来：諸説ある起源

おはら節の名称の由来については諸説ありますが、有力な説として、琉球侵攻に従軍した宮崎県都城市安久町の郷士が士気を高めるために歌った「安久節」が、鹿児島市原良町の郷士によって受け継がれ、広まったという説があります。「原良」に「小」を冠した「小原良節」という名称になったと言われています。

他にも、各地の港町で歌われていた「おはら節」や「おわら節」が鹿児島に伝来したという説、約700年前から原良町で歌われ、霧島神宮参拝の際に歌われていたという説など、様々な説が存在します。確かな起源は特定されていませんが、長い歴史の中で人々の生活に深く根付いてきたことが伺えます。

歴史：江戸時代初期から現代まで

おはら節が歌われるようになったのは江戸時代初期とされています。歌詞にある「煙草は国分」は、かつて国分地方で盛んに煙草が栽培されていたことを示しています。薩摩藩では煙草の栽培や喫煙が禁止された時期もありましたが、その後復活し、国分地方は再び煙草の生産地として全国的に知られるようになりました。

昭和初期には、鹿児島県西之表市出身の歌手・芸者であった新橋喜代三によってレコード化され、全国的な流行へと繋がりました。その後、小林旭、くるり、AIなど、多くのアーティストがカバーし、現代においてもその人気は衰えることを知りません。

1949年からは、鹿児島市制60周年記念事業として「おはら祭」が始まり、祭りの中心的な踊りとしておはら節が踊られるようになりました。また、2011年の九州新幹線全線開業を機に、鹿児島中央駅の発車メロディーにも採用されるなど、現代においても様々な形で活用されています。

歌手：数多くのアーティストによるカバー

新橋喜代三によるレコード化が全国的なブームのきっかけとなりました。その後、小林旭は映画主題歌として、くるりはベストアルバムに収録するなど、世代を超えて愛され続けています。AIは九州旅客鉄道のCMソングに起用されるなど、現代でも新たな形で親しまれています。

歌詞：多様なバリエーション

「花は霧島 煙草は国分 燃えて上がるは オハラハー 桜島」という有名な歌い出しから始まる歌詞は、複数のバージョンが存在し、歌い手によって多少の違いがあります。また、「安久節」と呼ばれる歌詞も存在し、おはら節の起源を示唆する要素となっています。

関連作品：多様なメディアへの登場

西郷輝彦、森昌子、くるり、竹川美子といった多くの歌手が、自身の楽曲にアレンジを加えたバージョンを収録したり、オリジナルの曲として発表しています。長渕剛の楽曲「桜島」では、歌詞の一部におはら節の一節が引用されるなど、現代の音楽シーンにもその影響は広がり続けています。

まとめ：時代を超えて愛される民謡

鹿児島おはら節は、その起源や歴史、そして現代への影響まで、様々な側面を持つ魅力的な民謡です。これからも、おはら祭をはじめとする様々な場で人々に愛され、歌い継がれていくことでしょう。その力強いリズムとメロディーは、これからも多くの人々の心を捉え続けるでしょう。

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