おひつじ座TZ星

おひつじ座TZ星 (TZ Arietis) について

おひつじ座TZ星は、おひつじ座の方向にある赤色矮星で、地球から約14.7光年と比較的近い距離に位置しています。しかし、その光度は12等級と低いため、肉眼で観測することはできません。この星は閃光星としての特性を持ち、短時間で急激に明るくなる現象が観測されています。

発見の経緯

この星は、固有運動が大きい恒星として、ルイテンやギクラスの星表に記録され、その存在が知られるようになりました。初期には年周視差の測定が行われたものの、特筆すべき関心を集める恒星ではありませんでした。

しかし、1968年にセロ・トロロ汎米天文台の観測により、この星が突然増光する現象が発見されました。その後の減光の様子から、しし座AD星と同様の閃光星である可能性が指摘されました。その後、変光星の命名規則に従い、「おひつじ座TZ星」という名前が与えられました。

惑星系について

2019年6月、おひつじ座TZ星の周囲を公転する3つの太陽系外惑星候補が報告されました。これらの候補の公転周期はそれぞれ2日、240日、770日とされていました。2020年8月の論文では、240日と770日の公転周期を持つ惑星が確認され、それぞれ「b」、「c」と命名されました。

2022年3月には、スペインのカラル・アルト天文台で行われた観測で、770日の公転周期を持つ惑星が独立して確認され、これも「b」と命名されました。しかし、240日の公転周期を持つ惑星の存在は確認されませんでした。また、2日の公転周期を持つ惑星候補は、恒星の自転に関連する現象であると結論づけられました。なお、NASA Exoplanet Archiveでは、確認された770日の公転周期を持つ惑星を現在も「c」と呼称しています。

その他の情報

おひつじ座TZ星は、比較的近傍に位置する恒星の一つであり、その特性や惑星系については今後も継続的な研究が期待されています。

関連項目

近い恒星の一覧

外部リンク

ARICNS 4C00172
Luyten 1159-16
Gl 83.1
* Image TZ Arietis

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