おぼこ (漫画)

おぼこ

荻野真による漫画作品。『ビジネスジャンプ』（集英社）にて2003年から2004年にかけて連載された。

概要

『孔雀王』など、それまでの荻野作品とは異なり、超自然的な要素や過激な表現を排し、人情や恋愛をテーマとした作品。テレビドラマ『おくさまは18歳』を彷彿とさせるラブコメディの要素も含まれている。釣りも重要な要素であり、作者の友人が連載開始に協力している。

連載誌を『週刊ヤングジャンプ』から『ビジネスジャンプ』に変更したのは、作者の体調不良による休載を防ぐためでもあった。しかし、連載開始後、雑誌の編集方針が変わり、作品に性的な描写を加えるよう要求されたため、作者は苦悩する。結果として、未完のまま連載を終了することになった。

作者はこの作品に強い思い入れがあり、後に『つり丸』にてリニューアル版である『サルビアの海』を連載することになる。物語の方向性は変わったものの、『おぼこ』で描きたかったテーマは『サルビアの海』へと受け継がれている。

あらすじ

主人公の一色海は、相模湾で釣りの貸し船屋を営む女子高生。父の急死後、家業の危機に直面する。船舶免許を持たないまま、船頭として遊漁船に乗り込む海。彼女を心配する新任教師の石蕗陸は、釣りも船も素人ながらも、海と共に荒波に立ち向かう。

特徴

人情と恋愛: 非現実的な要素を排除し、人間関係の温かさや恋愛模様を丁寧に描いている。
釣り: 物語の重要な要素として、釣りの描写が取り入れられている。
ラブコメディ: 若い男女の交流をコミカルに描いている。

連載打ち切りとその後

雑誌の編集方針の変更により、連載は打ち切りとなる。作者は本作に性的な場面を増やすことを編集部に強要されたものの、本作にそういった要素を取り入れることはやはり無理があった。しかし、本作への想いは『サルビアの海』へと引き継がれ、新たな形で結実することとなった。

書誌情報

荻野真『おぼこ』集英社〈ヤングジャンプ・コミックスBJ〉、2004年。
* 2004年7月21日発行（2004年7月16日発売）、ISBN 978-4-08-876650-8

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