おもちゃの国の赤ん坊たち

『おもちゃの国の赤ん坊たち』（原題：Babes in Toyland）は、グレン・マクドナーが脚本を、ヴィクター・ハーバートが作曲を手掛けたオペレッタ作品です。この作品は、マザー・グースに登場する様々なキャラクターたちが織りなす、クリスマスをテーマとしたファンタジックな舞台劇として展開されます。

1903年1月、ニューヨークで上演され大成功を収めた『オズの魔法使い』の製作者であるフレッド・R・ハムリンと演出家のジュリアン・P・ミッチェルは、より多くのファミリー層をターゲットにしたミュージカル作品を製作したいと考えていました。そこで、マクドナーは『オズの魔法使い』の脚本改訂にも関わっていたという経緯から、このプロジェクトに参画することとなりました。さらに、ミッチェルとマクドナーは、作曲家ヴィクター・ハーバートに製作への協力を要請し、ハーバートもこれに応じました。

『おもちゃの国の赤ん坊たち』には、ハーバートの作品の中でも特に有名な楽曲が数多く用いられています。その代表的なものとしては、「Toyland（トイランド）」、「March of the Toys（おもちゃの行進）」、「Go To Sleep, Slumber Deep」、「I Can't Do the Sum」などが挙げられます。特に、主題歌である「トイランド」と、劇中で最も有名な器楽曲である「おもちゃの行進」は、クリスマスの定番ソングとしても親しまれ、多くのクリスマスソング集にも収録されています。

この作品は、1903年6月にシカゴのグランド・オペラ・ハウスで初演を迎えました。その後、ニューヨークでの初演までの間に、東海岸の各地で合計193公演が行われました。その後も、『おもちゃの国の赤ん坊たち』は数多くの再演を重ね、高い人気を誇る作品となりました。この作品の成功は、その後の約10年間におとぎ話を題材とした舞台作品が多数上演されるきっかけにもなりました。


参考文献

Bloom, Ken and Vlastnik, Frank. Broadway Musicals: The 101 Greatest Shows of all Time*. Black Dog & Leventhal Publishers, New York, 2004. ISBN 1-57912-390-2

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