おれの義姉さん

おれの義姉さん

『おれの義姉さん』は、1970年4月1日から9月30日までフジテレビ系列で毎週水曜21:00 - 21:56に放送された、渥美清主演のテレビドラマです。『水曜ドラマシリーズ』の記念すべき第一作として、全27回にわたって放送されました。

概要

本作は、渥美清が主演した人気ドラマ『男はつらいよ』の姉妹編とも言える作品です。渥美清は、寅さんこと車寅次郎を彷彿とさせる、乱暴者でトラブルメーカーの風来坊、熊さんを演じます。前年に大ヒットした映画『男はつらいよ』を強く意識した内容で、マドンナ役の佐藤オリエをはじめ、杉山とく子、佐藤蛾次郎、佐山俊二など、『男はつらいよ』の出演者も多数起用されています。

さらに、人気ドラマ『肝っ玉かあさん』の主演女優である京塚昌子や、『七人の孫』に主演した森繁久彌といった豪華キャストの共演も大きな話題となりました。

ストーリー

物語は、女手一つでスナック「キャビン」を経営し、子供たちを育てる沖忍(京塚昌子)を中心に展開します。亡き夫・虎吉の一周忌に、虎吉の弟を名乗る沖熊吉(渥美清)が突然現れます。熊吉は、20年間船乗りとして海外を渡り歩いていたと言います。忍と虎吉の結婚前に家を出たため、熊吉の顔を知る者はいません。息子たちは熊吉を疑いますが、忍は声やうなじが虎吉に似ていることから、彼を信じることにします。

忍一家と同居することになった熊吉は、姉さんと慕う忍のために懸命に努力しようとしますが、ことごとく失敗し、迷惑ばかりかけてしまいます。しかし、スナック「キャビン」の常連客である高名な小説家、浜野平八郎(森繁久彌)とは妙に気が合い、良好な友人関係を築いていきます。

熊吉は、平八郎の一人娘である真帆(佐藤オリエ)の美しさに一目惚れします。しかし、真帆には結婚を約束した恋人がいることを知り、傷心の熊吉は再び船に戻る決意をするのでした。

キャスト

沖熊吉：渥美清
通称熊さん。20年ぶりに帰ってきた、自称世界を股にかける船乗り。最後は糞尿船の船長として旅立つ。
沖忍：京塚昌子
スナック「キャビン」の経営者。熊吉には「あねさん」と呼ばれる。騒動を起こす熊吉をかばい続ける。
沖望：渡辺篤史
忍の長男。熊吉には「のぞみ」と呼ばれる。母思いのあまり、熊吉と衝突する。
沖薫：池田秀一
忍の次男。熊吉には「かおり」と呼ばれる。いつも騒動に巻き込まれる。
操：杉山とく子
忍の姉。熊吉が甥たちに倣って「おばちゃん」と呼ぶのを快く思っていない。
ガス：佐藤蛾次郎
熊吉の舎弟。いつでもオナラが出せる特技を持つ。熊吉とともに糞尿船に乗る。
浜野平八郎：森繁久彌
小説家。小心翼々とした性格で、母親に頭が上がらない。
浜野真帆：佐藤オリエ
平八郎の一人娘。恋人との結婚を反対され悩んでいる。
浜野吟：沢村貞子
平八郎の母。浜野家の当主。平八郎を子供扱いする。
和ちゃん：寺田路恵
浜野家のお手伝い。
真帆の恋人：山本圭
真帆との結婚を反対されている。
郵便屋：佐山俊二
熊吉に無理難題を吹っかけられる。
小川宏、露木茂、松村満美子、黒柳徹子
テレビ番組「小川宏ショー」出演者。熊吉は黒柳徹子の初恋の人として出演する。

スタッフ

企画：小林俊一
原案：山田洋次
脚本：山田洋次、光畑碵郎、岡田光治、高橋正圀
演出：小林俊一
音楽：山本直純
制作：フジテレビ

エピソード

山田洋次監督の映画『家族』で、旅館の主人が見ているテレビ番組は本作です。

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