お元気ですか (清水由貴子の曲)

お元気ですか

1977年3月1日、清水由貴子の記念すべきデビューシングルとして発表されたのが「お元気ですか」です。作詞を阿久悠、作曲・編曲を三木たかしという当時の歌謡界を代表する二人が手がけたこの楽曲は、フォークソングのテイストを取り入れた親しみやすいメロディーと歌詞が特徴です。

発表当時の反響と歌唱スタイル

本作は、リリース後すぐに好セールスを記録し、累計で8.2万枚を売り上げるスマッシュヒットとなりました。歌番組などで披露される際には、清水由貴子自身がアコースティックギターを手に取り、伴奏をしながら歌うという、当時のアイドルとしては珍しいスタイルが注目を集めました。このセルフプロデュースともいえるパフォーマンスは、彼女の個性と楽曲の魅力を際立たせました。

楽曲が繋いだキャリアとエピソード

「お元気ですか」は、清水由貴子のキャリアにとって重要な一歩となっただけでなく、後続の歌手たちにも影響を与えました。特に有名なエピソードとしては、1979年に日本テレビ系のオーディション番組「スター誕生!」に出演した柏原芳恵が、この曲を歌唱して見事合格を勝ち取ったことが挙げられます。柏原はその後番組のグランドチャンピオンに輝き、翌1980年にアイドル歌手として芸能界デビューを果たしました。この曲が、一人の新人歌手の誕生に立ち会った縁深い楽曲となったのです。

時代を超えたカバー

この楽曲は、発表後も様々なアーティストによってカバーされ、歌い継がれています。

チェルシア・チャン (Chelsia Chan): 清水由貴子と同じ1977年に日本でも活動していた香港出身の歌手、チェルシア・チャンは、同年にリリースした自身のアルバムに「I'll tell the world I do」というタイトルで、英語詞によるこの曲のカバーを収録しています。国境を越えて同じ年にカバーが生まれたことは、楽曲が持つ普遍的な魅力の証と言えるでしょう。
国実百合: 1990年には、清水由貴子と同じ事務所の後輩であった国実百合が、シングル「北風と太陽」のカップリングとしてカバーを発表しました。
* 岩崎宏美: そして、清水由貴子と同じ「スター誕生!」出身であり、かつ所属事務所である芸映の先輩でもあった岩崎宏美が、2014年リリースのカバーアルバム『Dear Friends VII 阿久悠トリビュート』の中でこの曲を取り上げています。清水由貴子のデビュー曲を、縁の深い先輩歌手がカバーしたことは、多くのファンにとって感慨深い出来事となりました。

収録内容

シングル「お元気ですか」には、表題曲のほか、カップリングとして「あじさい村から」が収録されています。こちらも「お元気ですか」と同様に、作詞は阿久悠、作曲・編曲は三木たかしが担当しています。


「お元気ですか」は、一人の歌い手の門出を飾った楽曲でありながら、時代を超えて様々なアーティストによって歌われ、語り継がれるエピソードを持つ、日本の歌謡史における重要な一曲と言えるでしょう。

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