お祭り野郎 魚河岸の兄弟分

概要

『お祭り野郎 魚河岸の兄弟分』は、1976年5月29日に東映により劇場公開された日本のカラー映画です。上映時間は94分。

本作は、俳優・松方弘樹が新たに挑んだシリーズの記念すべき第一作目にあたります。物語の舞台は活気あふれる築地市場。主人公は、働く傍ら無類の祭り好きな若者です。彼が周囲の人々と繰り広げる温かい交流や騒動を、ユーモラスなタッチで描いた人情喜劇として製作されました。

あらすじ

築地市場で働く若者、梶木勝男は祭りをこよなく愛する熱血漢。市場の人々と家族のように接する彼は、時にその祭り好きが高じて騒動を巻き起こしますが、持ち前の明るさと人情深さで困難を乗り越えていきます。市場を舞台にした人間模様や、祭りの熱狂が描かれる中で、勝男の成長や周囲との絆が深まっていく様子が描かれます。

企画背景

本作が製作された1976年は、東映が経営戦略の転換を図っていた時期にあたります。1975年夏の『トラック野郎・御意見無用』、そして翌1976年の正月映画『トラック野郎・爆走一番星』が立て続けに大ヒットし、特にこれまで東映映画があまり動員できなかった女性や子供といった層を集客したことに、当時の岡田茂社長は大きな手応えを感じていました。この成功を受け、岡田社長は1976年上半期に「健全喜劇・スポーツ映画路線」を推進することを決定します。

この新たな路線の一環として企画されたのが、それまで「不良性感度」を売りにした任侠映画などで活躍することが多かった松方弘樹のイメージチェンジ、いわゆる「脱ヤクザ」を意図した作品群です。本作『お祭り野郎 魚河岸の兄弟分』と、同年4月に公開された『テキヤの石松』は、この松方の新境地開拓を担う重要な作品として位置づけられました。

企画段階では、本作のタイトルは当初『河岸の若親分』や『魚河岸の若親分』といった案がありましたが、1976年4月末に正式な公開番組として発表される際に『お祭り野郎・魚河岸の兄弟分』へと変更されました。

キャスト

梶木勝男：松方弘樹

（※上記以外のキャスト情報は入力にないため記載を省略します）

スタッフ

映画製作に関わった主なスタッフは以下の通りです。

企画：天尾完次、吉峰甲子夫
監督：鈴木則文
脚本：掛札昌裕
撮影：飯村雅彦
美術：桑名忠之
音楽：菊池俊輔
録音：小松忠之
照明：萩原猶義
編集：西東清明
助監督：橋本新一
協力：東京魚市場卸協同組合

主題歌

本作の主題歌は、映画と同名の「お祭り野郎」です。作詞を伊藤俊也、作曲を菊池俊輔が担当し、主演の松方弘樹自身が歌唱しています。

映像ソフト

本作は過去に映像ソフト化されていますが、現状では入手が困難な状況です。1989年10月にはVHSビデオソフトとしてリリースされましたが、現在は廃盤となっています。DVDに関しては、これまでのところ発売の情報はありません。

同時上映

本作は劇場公開時、『女必殺五段拳』と同時上映されました。『女必殺五段拳』は、小沢茂弘が監督を務め、志穂美悦子や渡瀬恒彦が出演した作品です。

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