お笑いとんち袋

『お笑いとんち袋』の紹介

『お笑いとんち袋』（おわらいとんちぶくろ）は、1965年10月から1967年3月まで関西テレビで放送された人気のテレビ番組です。毎週土曜日の午後に放送されたこの番組は、大阪の千日前の演芸場である千日劇場からの中継録画を取り入れた演芸番組であり、その内容は大喜利が中心でした。

番組の背景と特徴

この番組は、視聴者を楽しませるために、小咄、謎かけ、替え歌、川柳などの即興要素が盛り込まれ、複数の回答者が競い合う形式が特徴です。罰ゲームとして、悪い回答をした者には顔に墨が塗られるというユニークな演出もありました。これは観客に笑いを提供するだけでなく、出演者同士の競争心を引き出す効果がありました。

『お笑いとんち袋』は、元々1963年に千日劇場の余興として始まり、その後テレビ放送が行われることになりました。この番組の名付け親は柳亭痴楽で、最初は「インスタント笑話合戦」としてスタートしました。司会は桂米朝が務め、回答者には柳亭痴楽や桂小文枝、桂小春団治などの芸人たちが揃い、観客を楽しませていました。このように、長い歴史を持つ大喜利番組は、様々な名前に変遷しながらも、最終的に「お笑いとんち袋」として定着しました。

放送の様子と変遷

番組は1965年から1967年までの間に全75回放送されました。初期の放送時間は土曜日の13時から13時30分でしたが、その後12時15分から12時45分に変更されました。放送内容はモノクロであり、制作には石田正治が関わっていました。

また、番組は東京のフジテレビでも映像が放送されており、1965年11月からは関西テレビと同時ネットの形態で全国的に視聴できるようになりました。これにより、より多くの視聴者に楽しい内容を提供することができました。

出演者とその役割

出演者の中には、司会を務めた桂米朝のほか、3代目桂文我（当時の桂我太呂）、4代目桂文紅、2代目露の五郎兵衛（当時の2代目桂小春團治）など多くの著名な回答者が名を連ねています。特に漫談の吾妻ひな子は、ボケを担いながら場を収拾する役割を果たし、観客の笑いを引き出す重要な存在でした。

終息の理由と影響

『お笑いとんち袋』は関西地区の土曜日の午後を賑わせましたが、残念ながら1967年3月に打ち切られます。その理由には、有力なスポンサーがつかなかったことや、出演者が次々と他社へ移籍して番組が成り立たなくなったことが影響しています。このように、お笑いの激戦区においても、人気を博したこの番組はその後の大喜利文化に多大な影響を与える存在となりました。

このように、『お笑いとんち袋』は、当時のテレビ文化において重要な役割を果たし、多くの視聴者に笑いと楽しさを提供しました。また、この番組に出演した芸人たちは、後の日本のお笑いシーンにおいても重要な存在となっていったのです。

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