お笑い第七世代

お笑い第七世代とは

お笑い第七世代とは、2010年代後半頃から台頭してきた若手お笑い芸人の総称です。明確な定義はありませんが、一般的に2010年以降にデビューした若手芸人や、1987年以降生まれのデジタルネイティブ世代、1989年以降生まれの平成生まれの芸人などが該当するとされています。

発端

この言葉の始まりは、霜降り明星のせいやさんがラジオ番組で語ったエピソードでした。せいやさんは、先輩芸人や大御所には勝てないと最初から諦め、同世代で集まって「第七世代」というグループを作り、活動するのはどうかと思いついたそうです。これは、先輩芸人に対抗するのではなく、同世代で結束して盛り上がろうという発想から生まれたものでした。

構成作家の白武ときおさんがこの「第七世代」という言葉を気に入り、ウェブ番組で芸人を世代別に紹介したことがきっかけで、この言葉が広まり始めました。テレビ番組で初めて「第七世代」という言葉が使われたのは、フジテレビ系の「ネタパレ」でした。当初は隠語のようなものでしたが、2019年3月30日の「ENGEIグランドスラム」で、ハナコ、霜降り明星、ゆりやんレトリィバァ、かが屋、宮下草薙、EXITの6組を「平成生まれのお笑い第7世代」と紹介したことで、テレビ業界内で広く認知されるようになりました。

「七」という数字はせいやさんの思いつきで、特に深い意味はないそうです。せいやさんは、ラジオ番組で「平成世代、ゆとり世代でもいい。それで集まって、勝手に名前付けたら、なんかブームになるよな、みたいな話をしただけ」と語っており、先輩芸人に敵対する意図はなかったことを強調しています。

第七世代ブーム

霜降り明星、ハナコ、ゆりやんレトリィバァなどがブレイクしたことで、2019年以降に活躍した若手芸人は「お笑い第七世代」と呼ばれるようになりました。2019年6月には、ムック本で彼らが特集され、2020年には第七世代を冠したバラエティ番組が複数開始されました。

しかし、この名称が広まるにつれて、「お笑い第七世代」と呼ばれる芸人も固定化されていきました。ニューヨークのように「第七世代に入りたい」と発言する芸人も現れ、若手芸人の総称というよりは、特定のグループを指す言葉として認識されるようになりました。

せいやさんは、「第七世代」という言葉は使ったが、「お笑い第七世代」とは一度も言っていないと述べています。2019年12月には、「第七世代は終わった」と発言し、この言葉が一人歩きしていることについて不満を漏らしました。

特徴

お笑い第七世代の特徴として、評論家のラリー遠田さんは、「デジタルネイティブ世代である」「地上波テレビを絶対視していない」「仲の良さや努力を見せることに抵抗がない」「お笑いに対して真面目な優等生タイプ」であることを挙げています。

また、霜降り明星の粗品さんは、「20代はガツガツしていない。特に体を張る系は慣れていない」と語っています。ハナコの岡部大さんは、同世代で上下関係に厳しい人はいないと述べています。陣内智則さんは「テレビで物怖じしない」という印象を受けており、テレビプロデューサーの佐久間宣行さんは「お笑い以外でも稼げる能力がある上で、お笑いを選んでいるから、よこしまな気持ちでお笑いをやっていない」と分析しています。

「第七世代」という括りで特集が組まれた番組・書籍

テレビ番組

『ENGEIグランドスラム』（フジテレビ）
『7G〜SEVENTH GENERATION〜』（フジテレビ）
『爆笑問題の検索ちゃん 芸人ちゃんネタ祭り』（テレビ朝日）
『アメトーーク!』（テレビ朝日）
『霜降りバラエティ』（テレビ朝日）
『有田哲平と高嶋ちさ子の人生イロイロ超会議』（TBS）
『第7キングダム』（日本テレビ）
『お笑いG7サミット』（日本テレビ）
『有吉の壁』（日本テレビ）
『爆笑問題vs霜降り明星 第7世代と真剣勝負!オール新撮!ネタジェネバトル2020』（テレビ朝日）

書籍

「特集 第七世代 主人公の現在位置」『芸人芸人芸人』コスミック出版

関連事項

日本お笑い史
お笑いブーム
演芸ブーム（お笑い第一世代）
漫才ブーム（お笑い第二世代）
お笑い第三世代
* お笑い第四世代

お笑い第七世代は、従来の芸人像とは異なる新しい価値観を持ち、デジタルネイティブならではの発想で、お笑い界に新たな風を吹き込みました。彼らの今後の活躍から目が離せません。

もう一度検索