かいけつタマゴン

『かいけつタマゴン』は、タツノコプロ制作による、1話5分間の短編アニメーション作品です。1972年10月5日から1973年9月28日まで、フジテレビ系列で、毎週月曜日から土曜日までの夕方に放送されました。

本作の主人公は、怪獣のタマゴンです。依頼人は、悩みや相談事をタマゴンに持ちかけます。その際に、依頼料として卵（主にゆで卵）をタマゴンに提供します。タマゴンは依頼者の卵を食べた後、「ケッコータマゴン！」と叫び、自身も卵を産みます。この卵から、様々なカウンセラー怪獣が誕生し、タマゴンの代わりに依頼人の相談事を解決しようと奮闘します。

しかし、多くのエピソードでは、カウンセラー怪獣は依頼人の問題を解決することができず、物語は「なかなかピッタシいかないねぇ、タマゴン」というナレーションで幕を閉じます。この、解決しないオチが本作の特徴であり、独特のユーモラスな雰囲気を作り出しています。

全194話構成の本作ですが、再放送も頻繁に行われたため、総放送回数は308回にものぼります。タツノコプロの資料によると、平均視聴率は7.6％と、高い人気を博したことが伺えます。

スタッフは、脚本に鳥海尽三氏、小山高男氏（後の小山高生氏）、文芸担当に小山高男氏、美術に中村光毅氏、音楽にはやし・こば氏、そして総監督には笹川ひろし氏といった、タツノコプロを代表するメンバーが名を連ねています。製作は、吉田竜夫氏とタツノコプロが担当しました。

主題歌「かいけつタマゴン」は、ムーン・ドロップスが歌唱し、コロムビアレコードから発売されました。作詞は竜の子プロダクション文芸部、作曲ははやし・こば氏が担当しています。フルバージョンの主題歌はAメロ、Bメロ、サビの3コーラス構成ですが、放送ではイントロがカットされ、Aメロの3フレーズのみが使用されました。これは、5分という短い放送時間に合わせての措置だったと考えられます。

声の出演は、タマゴン役に大平透氏、ナレーター役に大竹宏氏といった、当時を代表する声優陣が務めています。彼らの演技も、本作の魅力を高める上で重要な役割を果たしていました。

放送局は、制作局であるフジテレビを始め、富山テレビ、石川テレビ、福井テレビ、長野放送など、多くの系列局で同時ネット放送されました。

『かいけつタマゴン』は、独特のキャラクターとストーリー展開、そして豪華なスタッフ陣によって生み出された、タツノコプロを代表する人気作品の一つと言えるでしょう。解決しないオチが逆に視聴者の心をつかみ、多くの子供たちに愛された番組でした。短い尺ながら、独特の世界観と魅力的なキャラクターで、今もなお多くのアニメファンに記憶されている作品です。

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