かかしに御用心

かかしに御用心：陽気なクマと悪賢いカラスの騙しあい

1953年3月14日、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー（MGM）より公開されたアニメーション短編映画『かかしに御用心』（原題：COBS AND ROBBERS）は、ディック・ランディー監督による作品です。トウモロコシ畑を舞台に、お人好しのクマと悪賢いカラスたちの騙し合いがコミカルに描かれています。

物語

主人公はトウモロコシ畑を所有するクマのバーニー。彼は畑を荒らすカラスの大群に悩まされていました。そんなバーニーの前に、「かかしのジョー」と名乗る人物が現れます。

ジョーは、軽快な音楽とゼンマイ仕掛けのメスのカラス人形を使って、見事カラスの大群を畑から追い払います。バーニーはジョーの腕前に感心し、すっかり彼を信用してしまいます。

しかし、ジョーの正体はカラスのジョーと兄貴のコンビでした。バーニーが油断した隙に、彼らは再び畑を荒らし始めます。バーニーはジョーたちを捕まえようとしますが、彼らの巧妙な策略に翻弄され、全く歯が立たない状態に。

バーニーは、高圧電線を使ってカラスを駆除しようとしますが、その様子をジョーたちに目撃されてしまいます。ジョーたちは堂々と畑に入り込み、バーニーは電気を流そうとしますが、畑の中から「降参、参った」と書かれた立て札が現れます。

その横にかかしのジョーが現れ、バーニーに畑の中に入ってカラスをやっつけるようそそのかします。騙されていることに気づかないバーニーは畑の中へ。すると、電気が流れ、せっかく育てたトウモロコシはポップコーンの山になってしまいます。

そのポップコーンを、軽快な音楽に合わせてカラスの大群が食べ尽くします。失望するバーニーを尻目に、カラスたちは勝ち誇ったように踊りながら去っていきます。その列の最後尾には、かかしのジョーと、正体を現したジョー＆兄貴のコンビの姿がありました。

ようやく騙されたことに気付いたバーニーは、カラスたちの狡猾さに呆然とするのでした。

登場人物

クマのバーニー: トウモロコシ畑の持ち主。お人好しで少し抜けている性格だが、怒ると意外に凶暴な一面も。
ジョー＆兄貴: バーニーを翻弄する悪賢いカラスの兄弟。巧みな策略でトウモロコシを手に入れる。
かかしのジョー: ジョー＆兄貴が変装した人物。カラスを追い払うパフォーマンスでバーニーを騙す。
カラスの大群: 組織的な動きで、ジョーたちの策略に協力する。

スタッフ

監督: ディック・ランディー
制作総括: フレッド・クインビー
アニメーション制作: ロバート・ベントレー、ウォルター・クリントン、アル・グランマン、マイケル・ラー、グラント・シモンズ
脚本: ジャック・コズグリフ、リッチ・ホーガン
* 音楽: スコット・ブラッドリー

日本での放映

日本ではTBS版『トムとジェリー』の短編として放映されていました。

まとめ

『かかしに御用心』は、コミカルな演出とテンポの良い展開、そして軽快な音楽が魅力のアニメーション作品です。お人好しだがどこか抜けたクマと、悪賢いカラスたちの対比が笑いを誘い、予想外の結末も大きな見どころとなっています。ディック・ランディー監督の才能が光る、忘れがたい一本と言えるでしょう。

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