かずら橋

かずら橋について

かずら橋は、徳島県三好市の西祖谷山村善徳に位置する伝統的な吊橋で、サルナシなどのつる植物を使って建設されています。特にこの地域にあるかずら橋はその特徴的な構造から非常に有名で、観光名所として多くの訪問者が訪れています。近隣にも複数のかずら橋が存在し、観光目的で作られたものもありますが、いずれも人専用の橋です。

歴史的背景

かずら橋は古文書に基づくと、過去には7から13本の吊橋がセットで存在していたとされています。1646年の記録では7本、1657年の文献には13本の存在が確認されています。起源についての伝説もいくつかあり、空海が村人を助けるために架けたのが始まりともされ、また平家の落人が逃げ道として使用するために作ったという話も伝わっていますが、いずれも真偽は定かではありません。

橋の特徴

現在のかずら橋は、全長45メートル、幅2メートル、そして谷からの高さは14メートルに達します。日本三奇橋の一つとしても知られ、重要有形民俗文化財に指定されています。大正時代に一度ワイヤー式に改築されましたが、1928年に地域振興のために伝統的なかずら橋が復活しました。この際、安全面を考慮し、ワイヤーが内部に使用され、かずらはその装飾として存在しています。

入場料は2022年10月時点で大人550円、小学生350円、幼児は無料で通行可能です。訪れる観光客は年間約35万人にのぼり、そのため3年ごとに橋の架け替えが行われ、工事には約1ヶ月を要します。かずらの調達は年々困難となってきており、高知県産のシラクチカズラを使用しているとのことです。

その他のかずら橋

東祖谷菅生には「奥祖谷二重かずら橋」と呼ばれるかずら橋があり、男橋（長さ42メートル）と女橋（長さ20メートル）という二つの橋が向かい合って架かっています。この橋も揺れやすく、木材が粗く編まれており、下からは川の流れる様子が見える珍しい構造をしています。この橋の魅力を表現した民謡「祖谷の粉ひき節」も広く知られています。

かずら橋は、昭和61年度に手づくり郷土賞を受賞しており、2012年10月にはトリップアドバイザーの「世界の徒歩吊り橋10選」にも選ばれています。

アクセス方法

西祖谷山村善徳のかずら橋にアクセスするには、土讃線の大歩危駅からバスで約30〜60分、または車で約20分の距離です。最寄りの「かずら橋」バス停からは徒歩3分、「かずら橋夢舞台」バス停からは徒歩5分です。四国交通バスと三好市営バスによって運行され、各便の運賃は670円です。また、古い道を経由する三好市営バスは所用時間が60分程度かかります。

池田町では1989年に福井県今立郡にかずら橋が創建され、こちらも観光資源として利用されています。四国村の香川県高松市にもかずら橋が設置されており、それぞれに独自の魅力があります。

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