がっちり買いまショウ

がっちり買いまショウ 解説

『がっちり買いまショウ』は、1963年12月1日から1975年11月30日まで、NET（現テレビ朝日）系列とTBS系列で放送された、毎日放送（MBS）製作の視聴者参加型買い物ゲーム番組です。漫才コンビの夢路いとし・喜味こいしが司会を務め、夫婦を中心とした一般参加者が、ユニークなゲームと買い物を組み合わせて賞品獲得を目指すという、当時としては斬新な内容で人気を博しました。

番組の概要

番組は毎回3組のペアが出場し、週替わりのゲームに挑戦します。このゲームの結果によって、買い物に使える金額が決定するというのが基本的な流れです。買い物ゲームでは、まず視聴者代表がボックスを選び、それによって設定金額が決定。出場者は、会場に用意された値段の分からない商品を選び、合計金額を設定金額に近づけるように買い物を行います。

制限時間は2分で、4品以上の商品を選ばなければなりません。時間内に買い物を終え、合計金額が設定金額から一定の範囲内（マイナス4000円以内）に収まれば、獲得となります。オーバーしたり、大幅に金額が足りなかった場合は失格となり、商品は没収となります。獲得できた場合、残金は「あゆみの箱」に寄付されました。

ルール

番組の冒頭では、出場者たちが椅子取りゲームや玉転がしゲームなど、体を張ったゲームに挑戦します。このゲームの結果によって、その後の買い物ゲームで使用できる金額が決定されます。

買い物ゲームでは、まず司会者のいとし・こいしが視聴者代表を呼び、番組スポンサーの商品の絵柄が入ったボックスを選ばせます。このボックスによって金額が決まると、いとし・こいしによるお決まりのコールとともにゲームがスタートします。

「（その金額××）円でお買い上げ、これを含めて4点以上」（こいし）
「それでは○○円コース！○○円コース！○○円コース！運命の別れ道！」（いとし）
「がーっちり買いまショウ！」（こいし）

会場には値段の記されていない様々な商品が置かれており、出場者たちは欲しいものを自由に選んで買い物を行います。ただし、合計金額を設定金額に近づける必要があり、制限時間も2分と短いため、戦略と素早い判断が求められます。小金額調整用の商品として、スポンサー商品や靴下、ネクタイなどの小物が用意されていました。

結果発表

ゲーム終了後、いとし・こいしが「伺ってみましょう！○○円コースお買い上げ、いかがでしたか？」と尋ねると、ティンパニのロールが鳴り響き、結果発表となります。合計金額が設定金額からマイナス4000円以内に収まればファンファーレが鳴り、獲得となります。設定金額を1円でもオーバーするか、マイナス4000円を下回ると失格となり、商品は没収されます。

商品を獲得できた場合には、残高が「あゆみの箱」に寄付されます。また、設定金額と全く同じ金額で買い物を終えた場合には、「がっちり賞」として賞金10万円が贈られました。失格となった場合には、「残念賞」としてスポンサー商品の詰め合わせが贈られました。

番組の変遷とエピソード

番組開始当初はモノクロ放送でしたが、1969年8月24日放送回からカラー放送となりました。また、コースの制限金額も、物価高に応じて徐々に上昇していきました。番組開始時には5万円・3万円・1万円でしたが、最終回では3万円・1万円のコースも追加されました。

番組のラストには、高島屋からの視聴者プレゼントコーナーがありました。視聴者は、スポンサー商品の合計金額を予想して応募するというものでした。

腸捻転の解消に伴い、1975年4月からはTBS系列での放送となりました。ネット局の一部では、朝日放送の『新婚さんいらっしゃい!』の後番組として放送されました。

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番組は、放送開始から1971年まではオリエンタル、1972年以降は江崎グリコがスポンサーでした。そのため、番組名も『オリエンタルがっちり買いまショウ』、『グリコがっちり買いまショウ』と変更されました。

備考

収録はMBS千里丘放送センターで行われていましたが、後にミリカホールでの公開収録に移行しました。

番組では、スポンサーの商品が小金額調整用に使われていました。オリエンタル時代にはオリエンタル・マースカレー、グリコ時代にはグリコ・ワンタッチカレーが提供されていました。

いとし・こいしの絶妙な掛け合いや、出場者の個性的な買い物ぶりなど、見どころ満載の番組でした。特に、設定金額をオーバーしそうな時や足りない時に、いとし・こいしがそれとなくアドバイスをする場面は、番組の名物となっていました。

1990年代には、読売テレビの『EXテレビ』で「ウルトラがっちり買いまショウ」として復刻企画が行われました。

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