きしろ杯争奪関西女流メイショウ戦

きしろ杯争奪関西女流メイショウ戦

きしろ杯争奪関西女流メイショウ戦は、2005年度に創設され、2008年度の第4回大会まで開催された将棋の非公式女流棋戦です。日本将棋連盟関西本部が主催し、デイリースポーツ社と神戸新聞社が後援、株式会社きしろが協賛としてこの棋戦を支えました。決勝戦は例年1月下旬頃に実施されていました。

創設の背景

この棋戦は、関西における将棋人気の一層の拡大と、関西に所属する女流棋士の棋力向上を目指した内藤國雄九段の発案から生まれました。この考えに賛同し、実現へと繋がったのが、船舶用エンジン部品メーカーである「きしろ」の社長であり、中央競馬の馬主としても知られる松本好雄氏です。松本氏は将棋アマチュア六段の腕前を持ち、将棋への深い理解と情熱が棋戦設立の大きな原動力となりました。棋戦名の「メイショウ」は、松本氏が所有する競走馬に冠する名前から取られています。当初、第1回大会の開催発表時には漢字で「名将」と表記されていましたが、大会開催前に現在のカタカナ表記「メイショウ」に正式に変更されました。

棋戦の仕組み

本棋戦には、日本将棋連盟関西本部に所属する女流棋士と育成会員に加え、選抜された2名の女性アマチュア選手が出場しました。合計16名が参加し、全てトーナメント方式で優勝を争いました。

対局は以下のように進められました。

1回戦から準決勝までは、関西将棋会館にて同日に一斉に行われました。
2回戦と準決勝の対局は、ファンに向けて公開で行われました。
決勝戦は、関西将棋会館ではなく、翌年に兵庫県明石市で開催される「明石将棋フェスティバル」のイベントの一つとして行われました。

持ち時間については、準決勝までが各自40分、決勝戦が各自60分と定められており、いずれも対局時計が使用されました。規定時間を使い切った後は、1手につき30秒未満で指さなければならない、秒読み方式が採用されていました。

優勝者への特典

優勝者には、栄誉ある「きしろ杯」に加え、賞金として30万円が贈られました。さらに、優勝者には特別な機会として、男性のタイトル経験棋士と平手（駒落ちなし）での賞金付き記念対局が組まれました。これは、女流棋士にとって貴重な経験となる企画でした。

過去の記念対局の相手としては、以下のような著名な棋士が登場しています。

第1回優勝者 対 有吉道夫九段
第2回優勝者 対 福崎文吾九段
第3回優勝者 対 南芳一九段

これらの記念対局は、多くの将棋ファンにとっても注目のイベントとなりました。

本棋戦は非公式戦ながらも、関西の女流棋士たちの研鑽の場として、また地域における将棋普及の一助として重要な役割を果たしましたが、2008年度を最後に終了しました。

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