きたぐに (列車)

夜行急行列車「きたぐに」の歴史と運行概要

夜行急行列車「きたぐに」は、大阪駅から新潟駅まで運行されていた特別な列車であり、その運行路線は東海道本線、北陸本線、信越本線を経由していました。この列車は、日本国有鉄道（国鉄）の運営開始以降、時代の変化を受けながらも、長きにわたり多くの利用者に親しまれてきました。特に、京阪神地域と信越地方を結ぶ重要な交通手段として機能していました。

運行の歴史

「きたぐに」のルーツは、1947年に大阪駅と青森駅を結ぶ急行507・508列車が運行を開始したことにさかのぼります。この急行列車は青函連絡船とも接続し、関西から北海道へ至る便利な経路を提供しました。1950年には「日本海」という名称が付けられましたが、1968年に新たに始まった寝台特急「日本海」の運行に伴い、大阪駅-青森駅間の急行は「きたぐに」に改称されました。

1982年には上越新幹線の開業により、関西から新潟方面への直通需要が減少し、列車の役割が変化しました。この時点で「きたぐに」は夜行急行列車として大阪駅から新潟駅へ運行されることとなり、特急「いなほ」と分かれることになりました。

運行を続ける中で、利用者数は徐々に減少し、2012年3月17日に定期列車としての運行を終了しました。その後、繁忙期には臨時列車として運行されることもあり、2012年から2013年の年末年始までサービスが続けられましたが、使用されていた583系電車の老朽化から、完全に運行が廃止されるに至りました。

列車の特徴

「きたぐに」という名称は、北陸地方を指す「北国」という言葉に由来しているとされています。そのため、583系のヘッドマークには列車名と共に北陸地方の地図がデザインされています。運行当初は旧型客車を使用していましたが、その後583系電車による運行へと移行しました。この583系は、開放式の寝台や自由席、グリーン車を持ち、利用者に多様な選択肢を提供しました。

運行状況と停車駅

定期列車として運行されていた「きたぐに」は、米原駅を経由し、新潟行きの新津駅から新潟駅までの区間が快速列車として運行されていました。下記は定期列車時代の停車駅の一部です：

• - 大阪駅
• - 新大阪駅
• - 京都駅
• - 敦賀駅
• - 金沢駅
• - 富山駅
• - 新潟駅

臨時列車としての運行が始まってからは、湖西線を経由することとなり、新潟駅への到着時刻が大幅に早まりました。この変化は当初の利用者にとって便利さをもたらしましたが、定期列車廃止後の列車選択肢が減ったことに対する利用者の不満も生じました。

利用状況

「きたぐに」は特に長距離利用者から人気があり、自由席の混雑や寝台券の売り切れも度々発生しました。多くの利用者は快適なグリーン車や寝台を求める長距離旅行者であった一方、大阪発新潟行きでは、通勤や通学の需要もありました。また、新潟発の列車は長岡駅での新幹線への接続があり、ビジネス客にも愛用されていました。

しかし、21世紀に入ると、格安ツアーバスの普及などにより、乗車人数は減少の一途をたどりました。JR西日本のデータによると、2010年代半ばには乗客数が1987年時点と比較して約半分にまで減少しました。

最後の運行

「きたぐに」が廃止された後、その役割を担った列車が現れましたが、それでも多くのファンに愛されたこの夜行急行列車の運行の終焉は、多くの鉄道ファンにとって寂しい出来事でした。今でも「きたぐに」は、日本の鉄道の歴史において重要な存在であると共に、多くの人々に思い出を届けているのです。

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