きたひろしま総合運動公園
きたひろしま総合運動公園は、北海道北広島市に位置する大規模なスポーツ・レクリエーション施設です。その整備構想は古く、都市の総合開発計画に端を発しています。
公園の歴史は、1970年度の広島町（現在の北広島市）の総合開発基本計画における「観光レクリエーション計画」まで遡ります。この計画では、総面積56ヘクタールにおよぶ広大な敷地に、スポーツやレクリエーションに対応した総合運動公園を整備する構想が示されました。
続く1981年度の新長期総合計画では、スポーツレベルの多様化や高度化に対応するため、緑葉公園の活用と並行して「スポーツコア」計画を推進し、総合体育館などを整備することが主要施策として位置づけられました。これは、広島レクリエーションの森との連携も含め、多様な機能を持つ地域とする意図がありました。
事業の具体化は進み、1993年度には事業予定地が都市計画施設として正式に決定されます。1996年度には多種多様なスポーツ・レクリエーション機能を備えるための基本設計が実施されました。しかし、財政的な負担が重く、実施設計への着手は困難な状況が続きました。このため、2005年度にかけて財政負担を軽減するためのプランの見直しが行われました。
その後も整備に向けた模索は続き、2008年度から2009年度にかけては「森林運動公園事業」として新たな推進と実施設計が進められました。しかし、2009年度に補助制度が廃止されたことにより、この事業も中止に追い込まれます。これまでの検討経緯を踏まえ、2013年度からは「吸収源対策公園緑地事業」としての検討が開始されました。
また、かつて2004年に札幌ドームへ本拠地を移転することが決まっていた北海道日本ハムファイターズの二軍本拠地用球場を、この公園内に整備することも検討されましたが、この時点では一度断念されています。
北海道日本ハムファイターズは、2004年に本拠地を札幌ドームに移転しましたが、球場が第三セクターによって運営されていたため、高額な使用料負担（1試合あたり1600万円、年間13億円）や、広告収入が球団に入らないといった課題を抱えていました。この状況を改善するため、球団は自ら運営する新球場の建設を計画し、札幌市やその周辺地域を候補地として検討を進めました。
北広島市は、このファイターズの新球場計画に積極的に応じました。2016年の意見交換では、北広島市が目指す「希望都市」「交流都市」「成長都市」という都市像と、ファイターズ球団が掲げるスポーツコミュニティーづくりの理念が方向性を同じくしていることを確認しました。そして、公園内に新たな本拠地球場を中心としたボールパークを整備することが、賑わいや交流を生み出し、ひいては地方創生に貢献できると考え、目指す都市像の実現に寄与すると判断しました。同年6月からは球団との協議を重ねました。
同年12月には、日本野球機構とファイターズ球団が新球場建設に向けた共同タスクフォースチームを結成し、2018年3月までに計画をまとめることが発表されました。その翌日、北広島市長をはじめとする市の関係者とファイターズの関係者が協議を行い、北広島市が当公園の敷地約36ヘクタールのうち20ヘクタールを球団に提供し、開閉屋根付きの野球専用スタジアムを核とする練習場や商業施設などを備えたボールパークを建設する提案を行いました。
当初、札幌市もファイターズに対し、既存の札幌ドームを野球専用スタジアムに改修して継続利用することなどを提案しましたが、球団の新球場計画が進んでいたことから難航しました。その後、札幌市は代替候補地として豊平区の約13ヘクタールや北海道大学内の約10ヘクタールの敷地を提示しましたが、諸事情により建設が困難であることが判明しました。
さらに2017年末には、札幌市が第三の候補地として、老朽化した北海道立真駒内公園内の真駒内屋外競技場（真駒内セキスイハイムスタジアム）を改築し、約20ヘクタールの敷地に新球場や商業施設を建設する案を提案しました。しかし、既に北広島市での整備計画が具体的に進んでいたことや、真駒内公園での建設が自然環境破壊への懸念から受け入れられず、正式に北広島総合運動公園への新球場建設が決定しました。
北広島市は、この球場建設に対して多大な支援を決定しました。具体的には、インフラ整備費用を市が負担すること、ファイターズ球団への土地賃貸料を無償とすること、そして公園施設に係る固定資産税や都市計画税を開場後10年間免除するなどの優遇措置が発表されました。
その後、建設が進められ、2020年1月には新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」を含む、北海道日本ハムファイターズ球団が管理・運営するボールパーク全体の名称が「北海道ボールパークFビレッジ」となることが発表されました。建設主体は、大林組を中心とする共同企業体（JV）が担当しました。
そして、球場が完成する2023年1月1日からは、北広島市共栄地区に位置する当運動公園付近の町名が「Fビレッジ」に改称されることも併せて発表されました。
長年の計画と紆余曲折を経て、きたひろしま総合運動公園は、北海道ボールパークFビレッジを中核とした、新しいスポーツと交流の拠点としてその姿を大きく変えました。
整備計画の始まりと変遷
公園の歴史は、1970年度の広島町（現在の北広島市）の総合開発基本計画における「観光レクリエーション計画」まで遡ります。この計画では、総面積56ヘクタールにおよぶ広大な敷地に、スポーツやレクリエーションに対応した総合運動公園を整備する構想が示されました。
続く1981年度の新長期総合計画では、スポーツレベルの多様化や高度化に対応するため、緑葉公園の活用と並行して「スポーツコア」計画を推進し、総合体育館などを整備することが主要施策として位置づけられました。これは、広島レクリエーションの森との連携も含め、多様な機能を持つ地域とする意図がありました。
事業の具体化は進み、1993年度には事業予定地が都市計画施設として正式に決定されます。1996年度には多種多様なスポーツ・レクリエーション機能を備えるための基本設計が実施されました。しかし、財政的な負担が重く、実施設計への着手は困難な状況が続きました。このため、2005年度にかけて財政負担を軽減するためのプランの見直しが行われました。
その後も整備に向けた模索は続き、2008年度から2009年度にかけては「森林運動公園事業」として新たな推進と実施設計が進められました。しかし、2009年度に補助制度が廃止されたことにより、この事業も中止に追い込まれます。これまでの検討経緯を踏まえ、2013年度からは「吸収源対策公園緑地事業」としての検討が開始されました。
また、かつて2004年に札幌ドームへ本拠地を移転することが決まっていた北海道日本ハムファイターズの二軍本拠地用球場を、この公園内に整備することも検討されましたが、この時点では一度断念されています。
北海道ボールパークFビレッジの誘致
北海道日本ハムファイターズは、2004年に本拠地を札幌ドームに移転しましたが、球場が第三セクターによって運営されていたため、高額な使用料負担（1試合あたり1600万円、年間13億円）や、広告収入が球団に入らないといった課題を抱えていました。この状況を改善するため、球団は自ら運営する新球場の建設を計画し、札幌市やその周辺地域を候補地として検討を進めました。
北広島市は、このファイターズの新球場計画に積極的に応じました。2016年の意見交換では、北広島市が目指す「希望都市」「交流都市」「成長都市」という都市像と、ファイターズ球団が掲げるスポーツコミュニティーづくりの理念が方向性を同じくしていることを確認しました。そして、公園内に新たな本拠地球場を中心としたボールパークを整備することが、賑わいや交流を生み出し、ひいては地方創生に貢献できると考え、目指す都市像の実現に寄与すると判断しました。同年6月からは球団との協議を重ねました。
同年12月には、日本野球機構とファイターズ球団が新球場建設に向けた共同タスクフォースチームを結成し、2018年3月までに計画をまとめることが発表されました。その翌日、北広島市長をはじめとする市の関係者とファイターズの関係者が協議を行い、北広島市が当公園の敷地約36ヘクタールのうち20ヘクタールを球団に提供し、開閉屋根付きの野球専用スタジアムを核とする練習場や商業施設などを備えたボールパークを建設する提案を行いました。
当初、札幌市もファイターズに対し、既存の札幌ドームを野球専用スタジアムに改修して継続利用することなどを提案しましたが、球団の新球場計画が進んでいたことから難航しました。その後、札幌市は代替候補地として豊平区の約13ヘクタールや北海道大学内の約10ヘクタールの敷地を提示しましたが、諸事情により建設が困難であることが判明しました。
さらに2017年末には、札幌市が第三の候補地として、老朽化した北海道立真駒内公園内の真駒内屋外競技場（真駒内セキスイハイムスタジアム）を改築し、約20ヘクタールの敷地に新球場や商業施設を建設する案を提案しました。しかし、既に北広島市での整備計画が具体的に進んでいたことや、真駒内公園での建設が自然環境破壊への懸念から受け入れられず、正式に北広島総合運動公園への新球場建設が決定しました。
北広島市は、この球場建設に対して多大な支援を決定しました。具体的には、インフラ整備費用を市が負担すること、ファイターズ球団への土地賃貸料を無償とすること、そして公園施設に係る固定資産税や都市計画税を開場後10年間免除するなどの優遇措置が発表されました。
北海道ボールパークFビレッジの誕生
その後、建設が進められ、2020年1月には新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」を含む、北海道日本ハムファイターズ球団が管理・運営するボールパーク全体の名称が「北海道ボールパークFビレッジ」となることが発表されました。建設主体は、大林組を中心とする共同企業体（JV）が担当しました。
そして、球場が完成する2023年1月1日からは、北広島市共栄地区に位置する当運動公園付近の町名が「Fビレッジ」に改称されることも併せて発表されました。
長年の計画と紆余曲折を経て、きたひろしま総合運動公園は、北海道ボールパークFビレッジを中核とした、新しいスポーツと交流の拠点としてその姿を大きく変えました。
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