きつね (映画)

映画『きつね』

『きつね』は1983年6月4日に公開された日本映画で、製作には松竹、霧プロ、日本天然色映画が関わり、松竹が配給を担当しています。本作は104分の上映時間を持ち、独特な恋愛の物語が展開されます。

概要

映画は、35歳の中年男性と14歳の少女が織りなす禁断の愛を描いています。主演にはフォーク音楽の歌手である岡林信康が中年男性の緒方役を、そして14歳の少女・万耶役にはオーディションで選ばれた高橋香織が配されました。脚本を手掛けた井手雅人は、早逝した娘に大人の恋愛を経験させるためにこの物語を執筆したと語っています。

劇中には少女の性交シーンが含まれており、そのために後のソフト化が難しいとされていましたが、2011年には「あの頃映画 松竹DVDコレクション」の一作としてDVDがリリースされています。

ストーリー

北海道の根釧原野に派遣された低温科学者・緒方は、ある夏の日に14歳の少女・万耶と出会います。万耶は療養生活を送っていることを知り、緒方は彼女を研究所に招いたり、湖での交流を深めていきます。万耶は緒方のことを次第に好きだという感情が芽生え、彼女が少し大人っぽい服で研究所に訪れた際には、緒方に叱られてしまうことも。

その後、万耶は持病の手術を受けることになりながらも、身に秘めた願いを抱えて次第に緒方への愛を強めていきます。葉が色づく季節に、万耶は自身の病気がエキノコックス症であることを知り、キツネがそれを運ぶという事実も学びます。

冬が訪れた頃、彼女はキツネを敵視しながら病室を抜け出し、緒方に愛を告白します。万耶の願いを叶えるために緒方は彼女を連れてオホーツク海へ向かい、リスボン地方の漁師の協力を得てキツネ狩りを実行することになります。緒方がキツネを仕留めた後、万耶は感謝の言葉を伝え、2人は一つの心を持つようになります。

再び春が訪れる頃、万耶は緒方に別れの手紙を送り、二人の大切な思い出を胸に秘めます。緒方はその手紙を受け取った後、湖で飛び立つ白鳥に万耶の姿を重ねながら彼女との日々を懐かしく思い出すのです。

スタッフ

• - 監督: 仲倉重郎
• - 製作: 野村芳太郎、野村芳樹、永井三樹男
• - 脚本: 井手雅人
• - 撮影: 坂本典隆
• - 音楽: 千野秀一
• - 美術: 浜野信男
• - 録音: 島田満
• - 加工: 松本隆司
• - 照明: 八亀実
• - 編集: 加川武志
• - スチール: 石田康男
• - イメージソング: 「大いなる愛」堀江淳（CBSソニー）

キャスト

• - 緒方: 岡林信康

低温科学者。

• - 万耶: 高橋香織

療養中の少女。

• - 三枝: 原田大二郎

緒方の先輩研究者。

• - 友紀: 三田佳子

緒方の不倫相手。

• - おたき: 野村昭子

万耶の親戚。

この映画は愛や禁断のテーマを通じて、暖かさと切なさが織り交ぜられた感動的なストーリーを提供しています。

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