きつね (お笑いコンビ)

きつね

「きつね」は、ホリプロコムに所属する日本のお笑いコンビです。大津広次と淡路幸誠の二人によって、2014年 4月に結成されました。大阪府出身の幼馴染であり、独特なスタイルで知られています。

メンバー

大津広次（おおつひろつぐ）

1989年 7月24日生まれ（35歳）。主にツッコミとウクレレを担当しています。大阪府堺市出身。身長171cm、体重63kg、血液型はO型。三人兄弟の末っ子として育ちました。

趣味は格闘ゲーム、パチンコ、ボクシング。特技はカードゲームと格闘ゲームです。好きな芸人としてザ・ドリフターズやジャルジャルを挙げています。タレントとしての魅力を高めたいという強い意欲があり、美容整形も経験。特にエラ部分への注射を19歳から継続しており、その費用は60万円以上に上るといいます。「男性と女性の狭間にありたい」といった自身の表現について語ることもあります。

プライベートでは女性だけでなく、ニューハーフの方との交際経験もあります。複雑な家庭環境で育ち、母親の再婚や離婚、貧困と急な好転など、波乱万丈な経験を持つことを明かしています。また、オカルト番組への出演経験もあり、不思議な話を披露することもあります。

淡路幸誠（あわじこうせい）

1990年 2月14日生まれ（35歳）。主にボケとDJを担当。大阪府出身。身長178cm、体重65kg、血液型はA型です。

趣味はDJ、写真、映画鑑賞、ヒップホップダンス。特技はアクションと、自身のスタイルの良さ。母子家庭で育ち、母親への負担を減らすため高校時代からアルバイトに励み、大学も奨学金を利用して通いましたが、後に中退しています。先輩であるザ・たっちのYouTubeチャンネル『たっちアカデミー』にも出演しています。

2022年11月13日に結婚を発表し、同月30日未明のテレビ番組『千原ジュニアのヘベレケ』で公表しました。翌年2023年2月8日には、第一子となる男の子が誕生しています。

来歴・概説

大津と淡路は、大阪府出身で小学校1年生からの長い付き合いの幼馴染です。同じ大阪府立堺西高等学校、桃山学院大学に進学しました。高校時代には、部員を集めて柔道サークルを設立。また、二人で初めて舞台に立ったのは高校の文化祭でしたが、その際はバンドとして出演し、「誰よりも目立ちたい」というタイトルのオリジナル曲を披露しました。二人とも、ラーメンズのコントを語り合う「ラーメンズ部」に所属していたこともあります。

大学では、柔道サークルのメンバーと共に、演劇部をコントサークルへと変えて活動しました。19歳で本格的にお笑いを始めた当初は五人組のユニットで、メンバーの脱退などを経てトリオに。ユニット名も何度か変更しています。学園祭でのミス・コンテストMCを務めた際にスカウトされ、大阪の松竹芸能に一時所属。しかし、ラーメンズへの強い憧れから、トリオで東京へ拠点を移しました。

上京後は、ホリプロの養成所「ホリプロ笑売塾」の11期生として学び、2014年 4月に卒業と同時にホリプロコムへ所属。この卒業のタイミングでメンバーが一人脱退し、現在の「きつね」というコンビとなりました。事務所選択においては、ラーメンズと同じ事務所をあえて選ばず、バナナマンなど先輩の活躍を見て、自身たちのチャンスがあると考えホリプロコムを選んだといいます。テレビ初出演は、2015年 9月7日放送の日本テレビ系『PON!』のコーナー「お笑い数うちゃPON!」で、当時は柔道ネタを披露していました。事務所所属は2014年ですが、松竹芸能時代の経歴を含めると、大阪NSC32期・東京NSC15期と同期にあたるとされています。

コンビ名の由来

コンビ名「きつね」は、フランスのファッションブランド「MAISON KITSUNÉ（メゾンキツネ）」に由来します。このブランドが音楽レーベルKitsuneも手掛けていることから、「私たちもそうしたハイカルチャーな存在になりたい」という思いを込めて名付けられました。所属事務所の先輩であるサイキック芸人・キックからは、「芸能界ではキツネが憑くと売れるらしい」という助言も受けたといいます。また、淡路のアルバイト先にいた風水好きの女性に「稲荷神もあるから神様の名前はどうなの」と言われたことをきっかけに、稲荷神社へ参拝するようになったそうです。「二人ともキツネ顔だから」という理由は、由来を説明するのが面倒な時に使っていた冗談とのことです。

芸風

結成当初は、もみ合いながらTシャツを破るコントや「ギャルおっさん」といったネタを披露していましたが、事務所ライブでの反応が芳しくなく、観客との感覚のズレを痛感。そこで「今、キャッチーに思えるのは歌謡漫才だ」と考えを改め、2017年頃からは、昭和歌謡などを現代風にアレンジした歌謡漫才を主に演じるようになりました。

現在の彼らの代表的なスタイルは、通称「パリピ漫才」と呼ばれています。大津がウクレレを演奏し、淡路がMacBookに接続したサンプラーなどのDJ機材をAbleton Liveで操作して、EDM（エレクトロニック・ダンス・ミュージック）で使われるようなフレーズや効果音を多用します。淡路のDJやヒップホップダンスの趣味がこのネタに活かされています。大津が気の利いたセリフを言うと、淡路が「上手いこと言わんでええねん」「どういう意味やねん」といったツッコミとともに効果音を出すのが定番の流れです。これらのセリフや音楽は、いくつもパターンを用意しているといいます。

この歌謡漫才スタイルが誕生した背景には、波乱がありました。淡路はダンスとDJに没頭する一方、大津はパチンコで借金を重ね、返済のためにアルバイト漬けとなり、ネタ合わせやライブ出演が困難に。そんな状況で30分間のミニ単独ライブの機会が訪れ、淡路が漫才とダンスミュージックを融合させた歌謡漫才のアイデアを大津に提案したところ、承諾されたことで生まれました。

新しいスタイルを考案したものの、当初は他のネタを披露して「シャレにならないほどスベった」経験を経て、満を持して「パリピ漫才」を投入したところ成功を収め、軌道に乗り始めました。このネタでNHK『バナナマンの爆笑ドラゴン』に出演したことが、テレビでの露出を増やすきっかけの一つとなりましたが、当時はそのネタが浅草芸人を揶揄していると解釈され、番組出演に繋がったという話もあります。淡路は、ネタ自体の出来が良くても、ダンスが上手くいかないと悔しく落ち込むほど、パフォーマンスにこだわりを持っています。

舞台に出る際の出囃子には、「きつねコンコンブラザーズ」という彼ら独自のテーマ曲（寄席囃子「デイビー・クロケット」をアレンジしたもの）を使用しています。

テレビ出演が増えて忙しくなったものの、ギャラは機材費を賄うのに十分ではなく、DJセットに約20万円、ネタ用の楽曲や音声変換機材に2～3万円、さらには営業用の新しいスピーカー購入など、機材投資がかさみ、再び貧乏になったと語っています。2020年11月11日放送の『NETA FESTIVAL JAPAN』では、激しいパフォーマンス中に機材が倒れるハプニングもありました（幸い故障は免れましたが、一部の効果音を口で表現することに）。

淡路は、新庄剛志氏のモノマネも得意としており、2020年9月3日放送のTBSテレビ『櫻井・有吉 THE夜会』で新庄氏本人と共演した際に、公認を得ています。

主な出演

テレビ

有吉の壁（日本テレビ） - 準レギュラー
ラヴィット!（TBSテレビ） - 不定期出演
きつねのメタゲーNIGHT! ～BS12メタバース情報局～（BS12） - 月1回放送
音ボケPOPS（TOKYO MX） - サブMC
過去の出演番組多数（『PON!』『バナナマンの爆笑ドラゴン』『有吉ジャポン』『ネタパレ』『オールスター後夜祭』『ウチのガヤがすみません!』『エンタの神様』『ヒルナンデス!』『NETA FESTIVAL JAPAN』『千鳥のクセがスゴいネタGP』など）
君と世界が終わる日に特別編（日本テレビ） - テレビドラマ出演（小西 / 中尾役）

ラジオ

きつねのこんこんらじお（NACK5） - パーソナリティ
過去の出演番組多数（『オールナイトニッポンR』『マイナビ Laughter Night』『Listen to my dark』など）

映画

有吉の壁カベデミー賞 THE MOVIE「ドライブ・アイ・サー」
ガディガルズ（声の出演）

Web番組

風雲!たけし城（Amazon Prime Video）

MV

きつね×EXIT「L.O.K.F」
May'n「あはっててっぺんっ」
SUCCESS「JUMP & SONIC - HEY-YO!! -」

配信シングル

ペアーズ（Anchor Records）