きむらはじめ (漫画原作者)

きむらはじめ - 漫画原作者の軌跡

きむらはじめ（本名: 菅伸吉）は、1946年1月3日に千葉県で生まれ、2004年12月7日に58歳で亡くなった日本の漫画原作者です。彼は、多数のペンネームを用いて創作活動を行い、特に「勝鹿北星」という名前でも知られています。1970年代から2000年代にかけて、多くの作品を世に送り出し、そのストーリーテリングには幅広いテーマが盛り込まれていました。

学歴とキャリアのスタート

きむらはじめは1967年に小樽商科大学を卒業後、電通に入社しました。広告代理店でPR担当として活動する傍ら、彼の漫画原作の道が開かれていきました。きむらは、自身の取材によって得た広範な知識を活かし、歴史や国際情勢、文化人類学など多角的な視点から人情味あふれるストーリーを展開しました。

代表作

彼の代表作には、以下のようなものがあります。
1. 『ゴルゴ13』 - 原作者はさいとう・たかをで、きむらは「アイボリーコネクション」や「最後の戦場」などいくつかのエピソードを執筆しました。
2. 『MASTERキートン』 - 勝鹿北星名義で、作画は浦沢直樹が担当しており、彼の原作が基点となっています。
3. 『なんか妖かい!?』 - 里見桂による作画で、妖怪や不思議な現象をテーマにした作品です。
4. 『ホットDOC』 - 加藤唯史との共同制作で、途中から原作を担当した作品です。
5. 『SEED』 - ラデック・鯨井名義で制作された作品で、社会への鋭い視点が光ります。

自然保護活動と影響力

表舞台に立つことは少なかったものの、きむらは自然保護活動にも力を入れていました。特に、友人の影響を受けていたことが彼の創作活動に色濃く表れており、2001年頃には『明るいちょんちゃん』の復刻に携わりました。この作品はスモンによる薬害被害をテーマにしており、深いメッセージを伝えています。

死後の影響とトラブル

2004年に癌で死去した後、彼の作品にも新たな波紋が生まれました。『週刊文春』での報道では、代表作『MASTERキートン』が絶版状態にあることが伝えられ、作画担当の浦沢直樹と編集者の長崎尚志との間での著作者表示の変更を巡るトラブルが浮上しました。これは、きむらが送っていた原作が多く使われなかったことに起因したもので、結果的に長崎が小学館を退社し、浦沢を引き連れて講談社に移籍する事態に発展しました。

まとめ

きむらはじめの作品は多様なテーマを内包し、日本の漫画界に多大な影響を与えました。彼の原作はただのエンターテインメントに留まらず、社会的なメッセージをも持ち、今なお多くの人に愛され続けています。彼の著作が再発売された際には、著作者名が共著による表記に変更されるなど、彼の名声が消えることはありませんでした。

今後も彼の作品が新たな世代に受け継がれ、彼の思想やクリエイティブなアプローチが広がり続けることを願っています。

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